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2015年11月20日 (金)

『洋画鑑賞ログ』

1.2012年

早々と「パラノーマル・アクティヴィティ パート2」上映間近って、そんなに人気があった?「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」(正真正銘の実写なのか、どうか)以来、実写風劇映画がホラー映画の主流の様相に。
2012.2.10

 映画「歌えロレッタ愛のために」に登場する、ロレッタの父親は実直、善良が取り柄かと思えそうな人の好い鉱夫。現代に蔓延る強欲とは無縁の、素朴な善人はいまでもヒッソリ暮らしているのかも知れない、、、それが、もう一つの米国白人社会なのかも。
2012.2.12

 昔、引っ越し先探しが目的で上京、西荻のホテルに一泊したことがあります。午前1時すぎ、TVを点けてチャンネルを操作していたら、アニメーションの『スポーン』を放送してました。国産の『宇宙戦艦ヤマト』しか知らない私にとって、『スポーン』の破天荒な内容、毒々しい色彩は非常に刺激的でした。『スポーン』の作者、トッド・マクファーレン(カナダ人)は、日本の漫画から、多くを学んだそうです。『マトリックス』の映画監督ウォシャウスキー兄弟(兄の方が性転換してしまい、今では姉弟なんだとか…オドロキ)もまた、日本の漫画/アニメーションの「甲殻機動隊」からインスピレーションを得たとか。
2012.2.15

 映画『マッシュ』(原作:リチャード・フッカー、監督:ロバート・アルトマン、 出演:ドナルド・サザランド、エリオット・グールド、トム・スケリット)の中に、医療検診を知らせる隊内放送場面があった。放送している隊員が、どうしてもその語彙(医学用語)を発音できず呂律が回らなくなってしまう。最後はなんとか突っ返えながらも、放送を終了する。ヒアリング力の乏しい小生には、何度聴いても聴き取れないし、発音するとなったら到底無理だ。
2012.5.18

 昨日午前11:30過ぎ、テレビから懐かしい曲が聴こえてきた。『ミッション』(ロバート・デニーロ、ジェレミー・アイアンズ出演)、「ガブリエルのオーボエ」(エンニオ・モリコーネ作曲)だった。映画の中では神父がこの曲を吹いて、インディオに聴かせる。soundtrackparadise.com/morricone1980.…ヴィデオ・テープの時代に、当時としては格安の¥3000で入手、鑑賞したのでよく知っている。魂を揺さぶる感動的な曲だ。過激なロック音楽ばかり聴いてないで、偶には「ガブリエルのオーボエ」のような静謐な曲も好い。刺激の強すぎる曲で疲れきった音感をリセットしてくれ、感覚を強化してくれる。
2012.6.25

 「aqualung」(潜水用呼吸装置)は、商標の「Aqua-Lung」 に由来するものらしい。「Aqualung」で思い出すのは、南米ペルーの凍てついた湖(ティティカカ湖を連想させる)でフリー・ダイヴィングする、初っ端からインパクトあるシーンで始まる(私の記憶はそこから始まる)、映画『LeGrand Bleu』だ。「素潜り」を、某オンライン辞書で引いてみた―「skin diving」。逆に、「skin diving」を同辞書で引く―”フィン(足ひれ)、マスク、シュノーケルをつけて水中に潜ること。”とある。「free diving」は、オンライン辞書にはもちろん通常の英英辞典にも載っていない。『Le Grand Bleu』では水中眼鏡を除き、装着していなかったように思う―それで、フリー・ダイヴィングと呼ぶのだろう。実在のジャック・マイヨール(助言者として映画制作に多大な貢献をしている)を演じているのは、俳優ジャン=マルク・バールだった。
2012.7.8

 1947年、チャールズ・イェーガーはベルX-1で音速を超えた。その辺りを、映画『ライト・スタッフ』(監督フィリップ・カウフマン)は、エピソードを交えながら描いている。音速超えする前々日(映画では前日)に細君と、砂漠地帯を馬で競争していて、木の枝にぶつかり落馬、肋骨数本を骨折した。X-1のハッチを閉めるには、かなりの腕力を必要とする。イェーガーは、同僚のジャック・リドリー(X-1を懸架して、空中で切り離すB-29のパイロット)に事情を打ち明ける。リドリーは、格納庫の掃除をしていたオヤジ(多分、民間人)が、持っていたモップを手頃な長さに切り取り、相手に”サンキュー・サー”と云って敬礼する。柄の短くなったモップを手にしたオヤジ…無言(此処は結構わらえる)。X-1に搭乗したイェーガーは、棒切れを利用してハッチを閉めることができ、音速突破に向う。イェーガー役のサム・シェパード(劇作家、俳優)の渋い演技もさることながら、リドリー(パイロット兼ナレーター)役のリヴォン・ヘルムの演技および語り口が印象に残った。2年前、テレビの深夜放送で観たことのある映画『歌え!ロレッタ 愛のために』(監督マイケル・アプテッド)を、レコード店で発見した。一介の主婦が、育児をしながらカントリー・ソングの女王になるまでを描いた、事実に基く映画だ。通称ドゥーリトル(トミー・リー・ジョーンズ)が、ロレッタ(シシー・スペイセク)の父親(リヴォン・ヘルム、炭鉱夫役)に、ロレッタ(当時13歳)と結婚をしたい、と打ち明ける。この後が面白い…ドゥーリトルは、部屋から部屋へと、ロレッタの両親の間を行き来して説得する。この映画でも、謹厳実直な炭鉱夫役のリヴォン・ヘルムの演技が印象に残った。1年前、The Band『Stage Fright』(紙ジャケット版)の、ジャケット・ディザインが気に入り入手した。’The Band’は、それ以前に『The Band』を聴いていたので、馴染みのロック・バンドだったが、メンバーに就いては調べたことがなかった。最近、『ライト・スタッフ』、『歌え!ロレッタ 愛のために』(原題『Coal Miner's Daughter』)の両映画に出演していたリヴォン・ヘルム(この時は顔や声を記憶していたが、名前を知らなかった)のことが気になり、ネット上で調べた。両方に、ヘルムが出ているのが分かったので、「リヴォン・ヘルム」で検索してみた。ザ・バンドの「ds、mandolin、vo.」…とのことだ。これで、2映画とザ・バンドにリヴォン・ヘルムの名前があるのに、やっと気づいた。ミュージシャン兼俳優として有名な人物が、既にいるのを知っていた筈だが、迂闊だった。普段、如何に漫然、ボンヤリ、だらけた生き方をしているかが、分かろうってものだ。気がついただけでも増しなんだろか。脳細胞には、絶えずデータが蓄積して行ってるのに、有効に活用せずに埋もれさせている。記憶する技術よりも、思い出す技術を開発した方が上手く行くかな。
2012.7.18

フィリップ・カウフマン監督『ボディ・スナッチャー』は、宇宙空間から進入してきた胞子が人間に乗り移って行く。眠ってしまったら最後、肉体を奪われてしまう。最後には、海外に逃亡しようと港にたどりつくが時すでに遅く、海外から入港してくる貨物船からは続々と成長した胞子が陸揚げ…逃げ場なし。
2012.8.13

2.2013年

 元旦ドイツ映画『Uボート』(W.ペーターゼン監督、ユルゲン・プロホノフ主演)を観た。艦内部を刻名に映し出し、艦長以下乗員の行動、心理を抑制した表現で観せる。ハリウッド流のヒーローは出てこないが死と隣り合わせの絶望的な状況下、刻苦精励する姿は感動的だ。 結末はギリシャ悲劇のようだ。
2013.1.1

 『ソーシャル・ネットワーク』は、『セヴン』、『ドラゴン・タトゥーの女』同様、観終った後に感動が湧いてこない。『エイリアン3』は地味ではあったが余韻の残る映画だった。監督デヴィッド・フィンチャーの、冷徹な描き方が生きていたように思う。並な監督には無い、特異な才能を持った監督らしい。
2013.1.2

 テレヴィ映画『ザ・スタンド』(原作スティーヴン・キング)に、神父か牧師が登場し、狼狽える通行人に向かって大声で説教する場面が出てくる。現実がキングの小説に追いついてきた…最後の審判は近づいている(?)。これからは否でも応でも、選別が始まり善悪に別れるだろう。区別、差別では手緩い。
2013.1.5

 映画『慰めの報酬』は、前作ほどの見せ場がなく一寸ガッカリ。悪徳団体が、ボリヴィアの水資源を狙って暗躍する場面、および漁船での追跡場面が観処かも知れない。黒いアストン・マーティンを、”灰色”と字幕に表記してあったのが気になる。スケールが小さいのは残念だが問題提起したからマア好いか。
2013.1.14

 字幕に”灰色のアストン・マーティン”(『007/慰めの報酬』)とあったので眼を凝らして観た。よく注意して観ないと、黒っぽくて気づかない。撮影監督に苦言を呈したい気分になった。アストン・マーティンは、『ゴールド・フィンガー』、『慰めの報酬』では、灰色かベージュだったような気がする。
2013.1.14

 映画DVD『ブルー・マックス』(1966年作)を探しに行って、『ザ・パッケージ』(1989)、『バートン・フィンク』(1991)、『U-571』(2000)を入手した。それから『ブルー・サンダー』を発見…欲しいが次回に回す。3枚3千円で良質な映画を鑑賞できる点は良い時代だ(?)。
2013.2.28

 『ブルー・マックス』は、第一次世界大戦時の撃墜王ブルノ・スタッヘルが主人公(ドイツ人、架空の人物らしい)。若いころ映画館で観たのだが、内容は殆ど想い出せなかった。『撃墜王アフリカの星』は、アフリカ戦線でBf109(メッサーシュミット)からの脱出に失敗し、乗機と共に墜落死する実在の人物ハンス・マルセーユ(仏蘭西系独逸人)。
2013.2.28

 『バートン・フィンク』は昔、レンタルで観たことがあり、奇妙な世界を描くコーエン兄弟(監督)の手腕に感服した記憶がある。奇妙といえば、『ディックの奇妙な日々』は負けず劣らず奇妙な世界を描いている。SF作家を彷彿とさせる人物が主人公…監督はPKDフアンなのかと観る者に想わせる作品だ。
2013.2.28

 ホラーでもないしコメディでもない奇妙な映画ときたら1. 『ドグラ・マグラ』、2. 『うんたまぎるー』、3. 『不思議惑星キンザザ』、4. 『バートン・フィンク』、5. 『デリカテッセン』、6. 『ディックの奇妙な日々』…。日本列島を見回すだけで、小説の題材は到る処に転がっている。
2013.3.4

 先週、レコード店で映画DVD『ブルー・マックス』を発見、金欠だったので1枚のみ千円で購入した。レジで訊いたら、1枚の購入でも構わないとの店長らしい人物の返答だったので助かった(感謝)。複葉機、三葉機を復元しての撮影だけあって、航空ファンにとっては嬉しい限りだ(戦争には反対だが)。
2013.3.20

 「ゴキブリめ、踏み潰されないように気をつけろ」(映画『ザ・パッケージ』に登場する科白)…劣等種族が大きな顔して生きていられるのは、地球を支配している連中にマトモなのが皆無だからだろう(支配者自体が狂人)。異星人の世界では役立たずは実験材料にされるという…それほど徹底的に選別する。
3月20日

 最近、シナが軍事衝突を煽っている所為か、戦争映画DVDが売れている(気の所為か?)。以前に見かけた「若い獅子たち」はラックから消えていた。数十年前に、映画館で途中までしか観ておらず、印象に残っていたこともあり、大いに気になっていた。見つけた時に、買っておかなかったのがまずかった。
2013.3.29

 近郊のレコード店で映画『ミッド・ウエイ』を発見後、近くの書店で『トラトラトラ』を発見した(後日、両方購入)。ミッド・ウエイ海戦は、日米の勝敗を別けた海戦だとか。後者は、真珠湾攻撃を扱った日米合作映画。監督リチャード・フライシャー、 舛田利雄、深作欣二、また日本の脚本家2人が参加。
2013.3.29

 日米の勝敗を分ける海戦を描いた『ミッドウエイ』…チャールトン・ヘストン、ヘンリー・フォンダ、ロバート・ミッチャム、三船敏郎などが出演している。内容は米国寄りのご都合主義かどうか―観る前から偏見が渦巻いた。史実に基き、冷静に描いてあるのだろうか。『トラトラトラ』の方は真実に近いか?
2013.3.29

 2基もの原爆を日本に投下した米が、映画を利用してどのように戦争を描いてきたか、冷静/冷徹に考察するべき時期にきた。映画が洗脳手段として最適なのは、映画関係者でなくても知っているはずだ。ドイツの女流映画監督、レネ・リーフェンシュタールの監督した映画『意志の勝利』が明確に語っている。
2013.3.30

 山本元帥が海軍大臣に宛てた私信に”…真珠港ニ在泊セル場合ニハ…”の一文がある。映画『トラトラトラ』の中にも、真珠湾攻撃計画を述べる場面があり、史実に基ていると判断できる。しかし、攻撃成功の一報を聞き、元帥の語る科白(”…眠れる巨人を起こし…”)が発案者の科白にしては矛盾している。
2013.3.31

 戦艦大和の最期を描いた邦画を、探しに出かけたが見つからなかった。代わりに、洋画『エネミーライン』Ⅱが見つかった。敵は今話題の北朝鮮だが、米軍の敵としては甚だしく貧弱だ(どのように描いているのか少しは興味がある)。パートⅠにはF/A-18が登場…ユーゴから独立したボスニアが舞台だ。
2013.4.10

 『トラトラトラ』の映画監督リチャード・フライシャーは、特典映像(映画DVD)の中で”日本はエニグマを使用していた”と語っている。米軍はWWⅡに、機関故障で北大西洋上を漂流中のUボート(U571)からエニグマを奪取していた。従って、真珠湾攻撃が筒抜けになっていたのは事実に違いない。
2013.5.3

 B2のノースロップ・グラマン社は、全翼機の開発を早くから手がけている。映画『宇宙戦争』(オリジナル版)に全翼機が登場するシーンがあるのを覚えている映画ファンは多いはず。フライバイワイァ機構を、コンピュータ制御することで、全翼機体を飛行させている。絶大な核抑止力を持つステルス機だ。
2013.5.3

 熱帯夜の続く寝苦しい夜、我が家(といっても賃貸集合住宅)では、扇風機(エアコンは入居時に試運転したのみ)を止め、ホラー映画や海洋映画を観ることにしている。2,3日前、久しぶりに海洋冒険映画『ザ・ディープ』(監督:ピーター・イェーツ)を鑑賞、期待以上の心理的冷却効果があった(?)。
2013.7.31

 海には凶悪そうなウツボや、愛嬌のある熱帯魚が棲息していて興味尽きない。ロバート・ショウ(英)、ニック・ノルティ(米)、ジャクリーン・ビセット(仏)と国際色豊かな俳優が出演する『ザ・ディープ』の、ウツボが沈没船の奥から現れる場面は、和製ホラー映画のような背筋も凍る恐怖感を催させる。
2013.7.31

 昔、引っ越し先探しのために上京、西荻のホテルに一泊したことがある。午前1時すぎ、TVを点けてチャンネルを操作していたら、アニメ『スポーン』を放送していた。国産の『宇宙戦艦ヤマト』、『ルパン』ぐらいしか知らなかったので、『スポーン』の破天荒な内容、毒々しい色彩は非常に刺激的だった。
2013.8.2

 『スポーン』の作者、トッド・マクファーレン(カナダ人)は、日本の漫画から多くを学んだそうだし、『マトリックス』の映画監督ウォシャウスキー兄弟(兄の方が性転換してしまい、今では姉弟なんだとか…オドロキ)もまた、日本の漫画/アニメーション『攻殻機動隊』から、多大な影響を受けたらしい。
2013.8.2

 P.K.ディックの『スキャナー・ダークリー』は、ジャンキー(麻薬常習者)と生活をともにしながら、「物質D」の製造元を探りだす捜査官の活動を描いた劇場映画…ところが、その映画を30人のアニメーターが、ペンタブレットを使用して手書きをしながらコンピュータ処理し、アニメ化してしまった。アニメ化に15ヶ月を要したというから、いかに手間のかかる作業だったことか。通常のアニメよりもコマ数が多い分、動きがスムーズなのが素晴らしい。本来なら、日本で真っ先にアニメ化してもよさそうな得意分野だ。出演はキアヌ・リーブス、ロバード・ダウニー・Jr、ウディ・ハレルソン、ウイノナ・ライダー、ロリー・コクレーン。テーマそのものは非常に深刻なのだが、時にはユーモラスな場面があったりする。中でも、ロリー・コクレーンの、ジャンキーぶりには吹き出してしまう。虫が身体中を這いずり回っているような幻覚に囚われ、シャワーを浴びるのだが、愛犬にまでシャワーを浴びせるのだ。虫なんて這いずり回っていないのに…。
2013.8.2

 ミヤザキ作品を好むアニメ・ファンは、絵についてよく知らないのではないか。一度見たら十分な、そこそこの出来映えなのに。絵は、ホラーのキング(スティーヴン・キング)の作品のように、細部まで描き尽くす必要などない。省略部分があってこそ卓れた絵になり得る…映画『アニマトリックス』が好例。AOL Time Warnerから出ている『アニマトリックス』(DVD)に所収の渡辺信一郎「KID'S STORY」、「A DETECTIVE STORY」や森本晃司「Beyond」などはミヤザキ・アニメを超えている。観る者に不可視部分を、想像させる陰影の付け方が素晴らしい。特に「A DETECTIVE STORY」の、ライターの炎だけがカラーになっている部分カラーが秀逸だ。日本画のぼかしを生かした描写、繊細な輪郭描法を取り入れていると思われる。それに比較して、ミヤザキ作品は子供向けとしては上出来だが、ぬり絵を進化させたらこうもなろうかと思える絵だ。
2013.8.3

 『トラトラトラ』の映画監督リチャード・フライシャーは、特典映像(映画DVD)の中で、”日本はエニグマを使用していた”と語っている。米軍は第二次大戦時、機関故障で北大西洋上を漂流中のUボート(U571)からエニグマを奪取していた。従って、真珠湾攻撃が筒抜けになっていたのは明らかだ。
2013.8.9

 最後通牒の遅れをアメリカの放送で聴いた、聯合艦隊司令長官の深刻な表情は、それ以上の危惧/危機を語っていたように映像(演出なのは明白だが…)からは伺える。深作欣二(映画『トラトラトラ』の日本側監督)は、聯合艦隊司令長官の表情を通して、日本人に何を訴えたかったのだろうか?
2013.8.9

 昔、映画館で観たかも知れない戦争映画に、『Ice Cold in Alex』(1958作)がある。監督J. Lee Thompson、出演ジョン・ミルズ、シルヴィア・シムズ、アンソニー・クエィル。数十年も前なので、題名の’Ice Cold in Alex’を除いて全く記憶にない。
2013.8.10

 十数年前まで呑んだくれだったので、猛暑続きの季節がやってくる度に想い出す。呑助のキャプテン アリスン(ジョン・ミルズ)の願望は、北アフリカ戦線(第2次世界大戦)での任務が済んだら、アレキサンドリア(エジプト)で、カリカリに冷えたビールを呑みたいということだった。題名が洒落ている。
2013.8.10

 キャプテンは、英米で階級に違いがあり、大佐/少佐/大尉/部隊長/艦長…ちょっと調べただけてもこれだけ出てくる。清酒を瓶ごと(大勢で呑むなら複数の一升瓶)、たっぷり氷水の入ったポリ容器に入れ、1,2時間冷やしておく。カリカリに冷え、極上の味わいになる。呑み過ぎによる宿酔いには注意。
2013.8.10

 映画『エンティティー』は、音楽が非常に怖かった。フランク・デ・フェリータ(映画『オードリー・ローズ』原作者)の、原作を元にした映画だ。『リング』の中田秀夫監督に、『エンティティー』のリメイク依頼がきていたはずだが、その後なぜか話題にならない。それとも、疾っくに上映したのだろうか。
2013.8.10

 ピアース・ブロスナン主演映画『ノーマッズ』は、ビル・コンティの音楽が、極北の荒涼たる氷原を彷彿とさせ、透明感漲る音色が効果を上げていた。コンティは卓れた映画音楽を作曲してきた作曲家だが、最近はまったく名前を見かけなくなった。『ライト・スタッフ』ではホルスト『惑星』を効果的に取り入れていた。
2013.8.10

 ショーン・コネリー、ミシェル・ファイファーが出た『ロシア・ハウス』では、ジェリー・ゴールド・スミスの音楽が素晴らしかった。ソ連崩壊直前、東西情報戦の最中で、小出版社を経営する英国人と、ロシア女性との恋愛を絡めたスパイ映画だった。ル・カレ原作の、大人の純愛映画って感じが面白かった。
2013.8.10

 『THX1138』(’71年)は、ジョージ・ルーカスが学生時代に自主制作した短編映画を、コッポラからの資金援助でリメイクしたSF映画だった。公開当時話題になったかどうか記憶にない。数年前、偶然ディレクターズ・カット版のDVDを見つけ購入。未来の病院ならありそうに想える、白っぽく衛生的な地下空間が画面に展開して行く。殆ど陰影がなく、無機質な感じだ。これといった事件は起こらず、管理統制のきいた社会、男女が個人的に交際できないディストピアだ。まるっきり盛り上がりがないまま、終盤へ向けて画面はゆっくり変わって行く。主人公が、管理社会からの脱出を試み、外部世界へと出て行こうとするところで映画は終わる。『エクソシスト』(’78年)、『エイリアン』(’79年)が、『THX1138』よりも前に世に出ていたら、この作品はもっと違った映画になっただろう。
2013.8.14

 『ニア・ダーク/月夜の出来事』(’87年)は、監督キャスリン・ビグロー(アイルランド出身)の初監督作品。ヴァンパイア一族が、昼間を避けて活動する様の、ロード・ムーヴィ/西部劇風な処が観どころ。ヴァイオレンス・アクション全開、画面から吹きつけてくる熱風に、観る者は息つく暇さえない。『ザ・キープ』(監督マイケル・マン、出演スコット・グレン;ユルゲン・プロホノフ)以来、久しぶりに聴くタンジェリン・ドリームの音楽が効果抜群だった。キャスリン・ビグローは、同映画を監督するに当たり、撮影中だった監督ジェームズ・キャメロンに、『エイリアンⅡ』(’86年)に出演するL.ヘンリクセン、B.パクストン、J.ゴールド・スタインの『ニアダーク/月夜の出来事』への出演を依頼、キャメロンから快諾を得ている。キャスリン・ビグローの美貌にグラっときた模様だ。
2013.8.17

 『ザ・キープ』(監督マイケル・マン;出演スコット・グレン、ユルゲン・プロホノフ)以来、久しぶりに聴くタンジェリン・ドリームの音楽が効果抜群だった。キャスリン・ビグローは、同映画を監督するに当たり、『エイリアンⅡ』撮影中の監督、ジェームズ・キャメロンに、3人の俳優の出演を依頼した…
2013.8.17

 『エイリアンⅡ』(’86年)に出演するランス・ヘンリクセン、ビル・パクストン、ジェネット・ゴールドスタインの、『ニアダーク/月夜の出来事』への出演を依頼、ジェームズ・キャメロンからキャスリン・ビグローは快諾を得ている。キャメロンはキャスリン・ビグローの美貌にグラっときた模様だ。
2013.8.17

 『U-571』(監督ジョナサン・モストウ;出演H.カイテル、B.パクストン、J.ボン・ジョヴィ)は、攻撃を受けて航行不能になった独潜水艦「U-571」から、偽装した米海軍潜水艦「SS-33」の乗組員が、暗号機「エニグマ」を奪取するまでを描いている。ボン・ジョヴィのフアンは必見だ!
2013.8.17

 聯合艦隊は、ドイツの暗号機「エニグマ」を使用していた…『トラ・トラ・トラ』の監督リチャード・フライシャーは「特典映像」の中で語っている。したがって、「真珠湾攻撃」が米側に筒抜けになっていたのは事実に違いない。ドイツも日本も「エニグマ」を使い続け、勝てるはずの戦争で負けてしまった。
2013.8.17

 ’aqualung’(潜水呼吸器)は商標の’AQUA LUNG’ に由来するらしい。’aqualung’で思い出すのは、南米ペルーの凍てついた湖(ティティカカ湖を連想させる)でフリー・ダイヴィングする―初っ端からインパクトあるシーンで始まる―映画『Le Grand Bleu』だ。
2013.8.22

 手許の辞典に、’skin diving’(素潜り)は載っているが、’free diving’は載っていない…『Le Grand Bleu』では、水中眼鏡を除き装着していなかった。実在のジャック・マイヨールを演じていたのは、ジャン=マルク・バール(『戦場の小さな天使たち』)だった。
2013.8.22

 『007/カジノ・ロワイヤル』に続く、ダニエル・クレイグ主演映画『007/慰めの報酬』は、前作ほどの見せ場がなく些かガッカリした。悪徳団体が、ボリヴィアの水資源を狙って暗躍する場面、および漁船での追跡場面が観処かも知れない。スケールが小さいのは残念だが問題提起したからマア好いか。
2013.8.23

 黒っぽいアストン・マーティンを、「灰色」と字幕に表記してあったのが気になる。車体の塗装は『ゴールド・フィンガー』、『慰めの報酬』では灰色かベージュだったはず。ボンドの上司”M”役のジュディ・デンチは、来日の折に、「デンチが電池を意味する」のを知り、大笑いしたと雑誌に書いてあった。
2013.8.23

 ジャック・フィニーのSF『盗まれた町』を映画化した、『ボディ・スナッチャー』(監督フィリップ・カウフマン、出演D.サザーランド、B.アダムス、L.ニモイ)は、宇宙空間から進入してきた胞子が、次々と人間に乗り移るパニックSF映画(?!)。眠ってしまったら最後、肉体を奪われてしまう。
2013.9.5

 主人公(保健所係官:Matthew役ドナルド・サザランド)は、国外脱出を図って逃げまわり、港にたどりつくが時すでに遅く、海外から入港してくる貨物船からは、続々と成長した胞子が陸揚げ…逃げ場なし!オリジナル版は、ドン(=ドナルド)・シーゲル監督の同名作品…機会があったら観てみたい。
2013.9.5

 ジェラルド・オニールが’70年代に提唱した「スペース・コロニー」は、映画『エリジウム』(監督ニール・ブロムカンプ、出演マット・デイモン、ジョディ・フォスター、2013年公開)に登場している。1895年、露のツィオルコフスキーは、エッフェル塔から「宇宙エレべータ」の着想を得た。ニール・ブロムカンプ監督の第2作(第1作は『第9地区』)、『エリジウム』(出演マット・デイモン、ジョディ・フォスター、『第9地区』主演俳優シャールト・コプリー)…公開してから、2,3年で3枚3,000円(DVDの場合)になるほど、今どきの洋画は新陳代謝が激しい。PC用DVDドライヴで、再生して観るようになってから、まったく映画館には行かなくなった。最後に観た映画が、何であったか思い出せないぐらいだ。デイモンと、フォスターの取り合わせが興味深い。貫禄で、デイモンは負けるだろう。『タクシー・ドライヴァー』時代の、ジョディ・フォスターからは想像できないほど成長した?!
2013.9.5

 A.C.クラークが、宇宙エレベータの登場するSF『薬園の泉』を、発表したのは1979年だった。現在、日本には宇宙エレベータ協会(JSEA、一般社団法人)まで出来、いよいよ具体化に向かって稼働し始めた。さて、映画に登場するのは何時頃だろうか…楽しみだ。映画より先に実現したら面白い。
2013.9.5

 映画『ジェイコブス・ラダー』(監督エイドリアン・ライン、出演ティム・ロビンス、エリザベス・ベーニャ、ダニー・アイエロ、マコーレ・カルキン、’90年、米)…主人公は自分の死を認識できないまま、ニューヨークの郵便局に勤める、元ヴェトナム帰還兵。現実、幻覚が錯綜し奇妙な世界が変転する。
2013.9.6

 観客側はやがて、主人公が死後の世界、霊界より下の世界を、彷徨っているのに気づく。ジェイコブズ・ラダーとは、何を意味するのか…それもやがて判明する。印象深いのは、謎めいている点だけではなく、結末に余韻を残している点(ホラー映画なのに感動的!)。リメイクの話が持ち上がっているようだ。
2013.9.6

 「空飛ぶ豚」といえば、ピンク・フロイド『アニマルズ』の、ジャケットの絵を思い出す。発電所の上に浮いている、豚がなんとも奇妙だった。発電所からエネルギーを供給中の、「豚型UFO」といった感じが幻想的で面白かった。映画『ミラグロ』に、愛嬌のあるルピタという、立派な名前の豚が登場する。洗濯したての衣類を物干しから、引きずり下ろしり、豆畑(’bean field’)を荒らしたり…しかし、憎めないところがある。注目すべきなのは、俳優ダニエル・スターン…『ミラグロ』では社会学専攻の大学生役で出演している。そのスターンがルピタと、仲よくビールを呑むシーンが爆笑ものだ。
2013.9.8

 全編、ラップ尽くしの映画『トレスパス』(監督ウォルター・ヒル、出演ビル・パクストン、ウィリアム・サドラー)は、廃墟と化したビルヂング(!)に、宝探しに入った2人の消防士が、天井裏から財宝を発見する話。土壇場になって、漁夫の利を占めるのが、ホームレスの老人という皮肉な結末が面白い。
2013.9.10

 『ブラニガン』(ジョン・ウエイン、1975年)は、『マックQ』(1974年)に続く、ジョン・ウエインの刑事物第2作。ロンドン警視庁に乗り込み、階段踊り場の隅に据えられた机の前に、座った大柄な合衆国刑事の姿が笑える。嘗て英国の名車だったジャギュアが登場、しかしそれほど見せ場はない。
2013.9.12

 ジャギュア(『ブラニガン』)はちょい役だったが、『トランス・ポーター』(J.ステイサム、2002年)では、ドイツの名車BMW 765i(’99年製)が大活躍する。ステイサムの、背後の壁を巧みに利用した通路での、複数の敵と対決する格闘シーンが観ものだった。仏を舞台に英俳優が大暴れ!
2013.9.12

 007シリーズ『ゴールド・フィンガー』(ショーン・コネリー、1964年)、『カジノ・ロワイヤル』(ダニエル・クレイグ、2006年)&『慰めの報酬』(同、2009年)…登場するスポーツカー、アストン・マーティンの精悍な面構え―フロント・グリルは、女王陛下の007によく似合っていた。
2013.9.13

 『キル・ビル』(デヴィッド・キャラダイン、2003,4年)…最終シーンに登場する車は、工業ディザイナーとして著名な、レーモン・ローウイの設計によるアヴァンティ(ステュード・ベイカー製)。幻の名車が『キル・ビル』で復活した。監督のクエンティン・タランティーノは、なかなか鑑識眼が高い!
2013.9.13

 映画『悪魔を憐れむ歌』(原題’Fallen’、1998年公開、上映時間125分)…監督:グレゴリー・ホブリット、出演:デンゼル・ワシントン、ジョン・グッドマン、ドナルド・サザランド他。荒野の悪霊「AZAZEL」が登場、最終的にジョン・ホブス刑事と対決することに―しかし、「AZAZEL」には著しく不利な制約がある。被憑依体を離脱した悪霊が、次に憑依する生体に移動するまで、わずか一呼吸しか生きられないのだそうだ。指先から肘までを500キュビトと仮定すると、一呼吸で500キュビト動けるとして、265メートルを移動できる計算になるらしい。その間に、被憑依体になりそうな生体/餌食が近くにいなければ、それでお陀仏ということになる。だが、巧緻に長けた「AZAZEL」は、乗り移る相手を身近に探し当てる―猫。映画終了後の挿入曲は、ローリング・ストーンズ「Sympathy for the Devil」(悪魔を憐れむ歌)…2枚組アルバム『Love You Live』の「Disc 2」最後に所収、演奏時間7:51。この映画と挿入曲「悪魔を憐れむ歌」から、憂鬱な気分になった場合には、同じストーンズの別の曲「Emotional Rescue」(アルバム『Emotional Rescue』8曲目、演奏時間5:39)を聴いてみては如何だろうか。憂鬱な気分が、何処へか消し飛んでしまうこと請け合いだ。
2013.9.13

 30数年前、映画館で『デモン・シード』(原作ディーン・クーンツ、監督ドナルド・キャメル、出演ジュリー・クリスティ、ロバート・ヴォーン、1978年)を観たことがある。科学者のカミさんが、超知能コンピュータ(プロテウス4)の子供を出産するホラーSF映画。意外な結末が印象に残っている。
2013.9.14

 『デモン・シード』より、10年早く登場した『ローズ・マリーの赤ちゃん』(原作アイラ・レヴィン、監督ロマン・ポランスキー、出演ミア・ファロー、ジョン・カサヴェテス、1968年)の結末に、似ていて感動的だった。原作者のディーン・R・クーンツは、同書を四半世紀ぶりに全面改稿したという。
2013.9.14

 『Easy Rider』(イージー・ライダー、’69年)…パンク・ロック・ミュージシャン(?)だった、デニス・ホッパーの初監督作品。出演ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン。ロック音楽に合わせ、2台のモータサイクルが爆走するシーンに自由の息吹を感じたものだ。にやけ顔で出演していた、若いジャック・ニコルソンはその後、数々の映画に出演、大物ぶりを発揮した。また、ステッペン・ウルフの、「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」を聴いたのも初めてだった。ザ・バンドの曲も入っていたようだが、気づかなかった。公開当時、ロックについてはまったく無知だった。
2013.9.15

 『Electraglide In Blue』(グライド・イン・ブルー、’73年)…監督J.W.ガルシオ、出演R.ブレイク、B.G.ブッシュ、M.ライアン。当時、映画館で観たが、内容については殆ど憶えていない。エレクトラとは、ギリシア神話に登場する、アトラスの七人姉妹の一人らしい。’glide’は「滑空」を意味する…と分かっても何のことやら。Electraglideをwebで検索すると、ハーレー・ダビッドソンの画像が大量に出てくる。そういえば、パトロール警官がハーレーを乗り回すシーンがあった。知っているのはその程度で、『イージー・ライダー』の二番煎じとか…
2013.9.15

 『Christine』(クリスティーン、1983年)…原作スティーヴン・キング;監督J.カーペンター;出演K.ゴードン、H.D.スタントン。負け犬アーニー(ゴードン)はスクラップ同然のプリマス・フューリーを、持ち主から250ドルで入手、DIYガレージを利用して新品同然に仕上げる。だが、蘇った車「クリスティーン」を、悪童らが徹底的に破壊…しかし、自己修復した車は悪童らを次々に襲い復讐する。深紅のフューリーには、往年の名車らしい風格がある。復讐モノとして、『Carrie』(キャリー、原作S.キング、監督B.D.パルマ、’76年)と、見比べてみるのも一興かも。
2013.9.16

 1.1988年版『ポゼッション』…仏、西独合作のホラー映画。監督A.ズラウスキー、出演イザベル・アジャーニ、 S.ニール。2.2012年版『ポゼッション』…監督O.ボールネダル、製作S.ライミ(『死霊のはらわた』監督)他、出演ジェフリー・ディーン・モーガン、キーラ・セジウィック。同じタイトルでも、内容はまったく異なる(当たり前)。2.は実話に基いてはいるが、実話そのものではないと考えられる。好例が、『フォース・カインド』(監督O.オスンサンミ、出演ミラ・ジョヴォヴィッチ、2009年)…実話に基いてはいるが、実話そのものではなかった(これも当たり前だが)。
2013.9.23

 映画『フォース・カインド』公開当時、アラスカ州北部の町、ノーム(事件現場)から、映画用CMに「ノーム」の名を、出さないよう申し立てがあったという。1999年公開の映画、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を想い出す…映画学科に在籍する3人の大学生によるドキュメンタリー映画(?!)。
2013.9.23

『トワイライトゾーン』に、主人公が「無視刑」なる妙な刑罰から復帰した直後、誰からも相手にされずに無視刑に苦しむ、若い女性に出会い、行動を起こすという一編があった。無視刑でさんざん酷い目に遭ったにも拘わらず、主人公は独り敢然と監視ロボットの警告を無視して、その女性を助けようとする。監視ロボットは、警告を発し続け、そこで映画は終わる。映画『トワイライトゾーン』(シリーズ)の世界では、人々は四六時中監視や束縛を受ける…地獄さながらの世界で、恰も当然のようにして生きている。主人公だけが、過酷な刑を受けた反動で、他人に過剰なほどの同情心を抱いて、助けの手を延べる。監視が当たり前の世界では、こういった場合、プライバシーの侵害になるのだろうか。この映画には2重の皮肉が、籠っているように思える。監視制度による、住民のプライバシー侵害、さらに個人が個人に感情移入することによる、プラバシーの侵害だ。しかし、助けが欲しい時には贅沢いってはいられない。余計なお世話とか烏の勝手とか言って、他人からの干渉を拒否する人は、世の中に結構いるものだ。不運な目に遭って初めて、人の親切が有り難くなる時は、あるのではないかと思う。好意を快く受け入れるだけの、寛容の精神を持ちうるかどうか、それが成熟した社会であるかの、指針になるのかも知れない。2013.9.23

バチカンの元高級官僚にして神父であったマラカイ・マーティン師(故人)の『悪魔の人質』、(HOSTAGE TO THE DEVIL)は、1980年に日本語訳が出た。ウイリアム・ピーター・ブラッティ原作の映画『エクソシスト』の公開とぶつかり、出版を延期したノンフィクション。マーティン師によれば悪魔の人質』は、著者の体験(エクソシズム助手)に基く事実とのことで、実際に起こった事件に基くブラッティの『エクソシスト』とは若干趣は異なるが、両著者は悪魔の実在を信じている点で共通している。日本では映画公開により、エクソシストの存在を初めて知った人が大部分ではないだろうか。訳書あとがきによると、ブラッティは軍隊で、心理戦争の研究に従事していたとあり、またマーティン師は実際にエクソシズムに携わった経験がある。いずれも迫力ある作品に仕上がっているのは当然と言えば当然といえる。しかし、名監督ウイリアム・フリードキンは映画会社の要求によるのか不本意ながらか、映画『エクソシスト』を、ハリウッド色に染まった作品に、仕上げてしまった感がある。ブラッティが第二作(*)に激怒し、自ら監督を務めたのが第三作だった。さてマーティン師の著作には5編の中編が入っていて、「事実は小説よりも奇なり」の譬えの通りだ。メガトン級の恐怖が読者をがんじがらめにしてしまい、読了するまで解放してはくれない。良質な訳文は著者の表現を余す所なく伝えていて読みやすく、何度読んでも驚異に満ちた異世界に引きずり込まれること請け合いだ。*『エクソシスト』第二作の監督はSFをも手がける才人、映画『未来惑星ザルドス』や『戦場の小さな天使たち』の原作者としても有名なジョン・ブアマン。
2013.9.26

旧ソ連映画『KIN-DZA-DZA』(不思議惑星キン・ザ・ザ、1986年)…監督ゲオルギー・ダネリア(グルジア人); 出演スタニスラフ・リュブシン、エヴァゲーニー・レオノフ、ユ-リー・ヤコヴレフ他。ソ連崩壊(1991年12月)の、約そ5年前に制作された奇妙奇天烈、奇想天外な傑作。『不思議惑星キン・ザ・ザ』は、架空の惑星「ブリュク」が舞台。草木が一本もなく、人間以外に生物が棲息していない。見渡す限り砂漠の荒涼とした世界だが、反面、高度な科学技術を持っている。グラビツァーパ(重力制御器?)を搭載した、棺桶型の飛行物体が、凸凹コンビの大道芸人を乗せて飛び回る。
2013.9.26

 飛行物体の燃料は、カツエ―マッチ棒先端の頭薬(塩素酸カリウム、ガラス粉、硫黄の混合物)―を燃料にして飛び回る、棺桶型のなんとなく可笑しい飛行物体が出現する。欲深だがどこか間の抜けた、大道芸人2人の凸凹ぶりが楽しめる。「クー」(肯定)と「キュー」(否定)だけで用が足りてしまう、この奇天烈な世界に、石柱をいとも簡単に切り倒してしまう、電磁兵器(?)が登場する。一見ローテク世界とも見える世界、実はハイテク世界だった。笑いの中に、現代のテクノロジーへの痛烈な批判がある。単なるお笑い芸人にできない役者の演技には脱帽する他ない。旧ソ連時代の傑作な映画。
2013.9.28

 映画『世界最速のインディアン』(The World's Fastest Indian、2005年、米・ニュージーランド合作)…監督・脚本ロジャー・ドナルドソン; 出演アンソニー・ホプキンス、ダイアン・ラッド。ニュージーランド南端の町、インバカーギルに住む、年金暮らしのバート・マンロー(63歳)が、周りの助けによって障害を乗り越え、世界スピード記録を達成するまでを描いた実話に基く映画。1920年型「インディアン・スカウト」なるポンコツの、モータバイクを自力でチューンアップ、米ボンヌヴィル(salt flat、塩平原)で夢を実現する。アメリカン・ドリームならぬニュージーランド・ドリーム…不屈の精神には頭が下がる!隣の庭に鬱蒼と、茂っている植物に水を供給(立ち小便)するのが日課…隣のカミさんの抗議もなんのそのだ(抱腹絶倒の一場面)。
2013.9.30

 タルコフスキー監督『ストーカー』(原作ストルガッキー兄弟、ハヤカワ文庫)は、芸術祭参加作品を意識してか、原作のSF色がかなり薄らいでいた。しかし、映画『ストーカー』は、別の『ストーカー』として楽しめる。登場人物の一人、大学教授がスーツ姿に、リュックを背負っていたのが印象的だった。ひと頃スーツで身を固めたサラリーマンがリュックサックを背負って通勤する姿をよく見かけた。なぜか最近は殆ど見かけない。タルコフスキー監督の映画にはリュックを背負ったスーツ姿の大学教授(物理学)が登場する。ファースト・コンタクト・テーマのSF映画なのに、妙に現実味を感じさせたものだ。2013.10.8

 映画『ライト・スタッフ』(監督フィリップ・カウフマン、出演サム・シェパード)は政治絡みの所為か、日本ではヒットしなかった。しかし、原作同様非常に面白い。ライトなスタッフとは、如何なる資質なのかがよく理解できる。空軍テスト・パイロットの、チャック・イエーガーこそ相応しい人物だった。大学卒でないと宇宙飛行士になれないのが米国。イエーガーは高卒なので資格がない。しかし、適格な資質の持ち主である彼は、そんなことは気にもかけない。彼は、NASAが開発したばかりの新鋭機F104を駆って高度記録に挑戦するが、エンジン・トラブルに遭遇、止むなく脱出し、事故から帰還する。
2013.10.12

 映画『ゼイリブ』(監督ジョン・カーペンター、主演ロディ・パイパー、’88年)には密かに地球に侵入、地球の人類を支配する異星生物が出てくる。特殊なメガネを通して正体を知ることができる。彼らはエネルギーを使い放題、汚し放題で、居住不可能になったら他の惑星に移住する…けしからん生物だ!
2013.10.12

 高高度偵察機U2は、現ロッキード・マーティン社が開発し、過去にはCIAに属して活躍した。高校時代、試験問題で解答欄に「U2」と記入して0点を貰った。社会科教師は航空機の表記を知らなかったらしい…「U2型」だけが正解だなんて知らな過ぎだろう。
2013.10.12

 ガブリエル・バーン主演の映画『ダウニング街の陰謀』では、グラマンF-111の字幕表記が「F1-11」になっていた。発音(エフ・ワン・イレヴン)をそのまま表記してしまったらしい。この程度なら、誤訳ではないので、航空ファンなら大目に見るだろう。誤訳は少々あっても問題ないが悪訳は困る。
2013.10.12

 映画『ブラックホーク・ダウン』…監督リドリー・スコット、出演ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー他。敵対する部族長アディード将軍を捕えるべく、合衆国最強の特殊部隊がソマリアに乗り込む。作戦通りなら1時間で片がつくはずだったが、戦闘輸送ヘリ「ブラックホーク」2機を撃墜されてしまう。群衆の中にアディード側の兵が潜み、狙い撃ちにしてくるため、特殊部隊員は思うように応戦できず窮地に陥る。群衆の中に敵が潜んでいる…特殊部隊員は最強にも拘わらず手も足も出ない。予想もしなかった市街戦。ソマリアでの戦闘は、ヴェトナムに次ぐ、合衆国にとって屈辱的な戦闘だった。原作マーク・ボウデン『ブラックホーク・ダウン アメリカ 最強特殊部隊の戦闘記録』上・下、ハヤカワ文庫、2002年刊。
2013.10.19

『ハロウィン』(HALLOWEEN、1978年)…監督ジョン・カーペンター; 脚本ジョン・カーペンター、デブラ・ヒル; 音楽ジョン・カーペンター; 出演ジェイミー・リー・カーティス、マルコム・マクダウェル。ジョン・カーペンターの出世作なのだそうで、…一人で監督、音楽を手がけ、さらに脚本を共作してしまうその多才ぶりには驚く。作曲といえば、デヴィッド・リンチ(『砂の惑星』、『ツイン・ピークス』の監督)も脚本、作曲をもこなす器用人。昔、TVで『ハロウィン』を観たことがあり、中々怖い映画だったのを憶えている。…スプラッター映画のような残虐場面がない分、却って観る者の想像を掻き立てるからだろう。第1作しか観たことがないのに、いつの間にか8作も出来ていたとは驚きだ。『時計じかけのオレンジ』(主演)、『ブルー・サンダー』(ロイ・シャイダーと共演)のマルコム・マクダウエルが、…出演していたとは知らなかった。とにかく、何度でも生き返ってくるブギーマンが不気味で、この時期に観るには最適な(?!)映画だ。『ハロウイン』第1作のジェイミー・リー・カーティスが、『ザ・フォッグ』(J.カーペンター監督、1980年)に親子で仲良く出演していたとは知らなかった。母親のジャネット・リーはよく憶えているのだが、娘のジェイミー・リー・カーティスは記憶にない。アーノルド・シュワルツェネッガーと共演した、…『トゥルーライズ』(J.キャメロン監督、1994年)に出ていたのをよく憶えているのだが。原題の「TRUE LIES」をどのように訳したらよいのだろうか。直訳なら「本当の嘘」だがそれでは余りにも能がない。さしずめ「正真正銘の嘘」、「嘘そのもの」とでも言ったらよいのか…。
2013.10.31

 映画では、音楽がしばしば効果を上げる。J.カーペンター監督の「遊星からの物体X」の、エンニオ・モリコーネが作曲した音楽を思い出す。遊星から地球に飛来し、南極の氷の中で5千万年間(?)眠り続けた異形の生物が、越冬隊隊員に忍び寄り、乗り移る。不気味な音楽が、観る者の恐怖を掻き立てる。チャールズ・バーンスタインの音楽が非常に怖かったのは映画「エンティティー 霊体」だった。原作はフランク・デ・フェリータ、映画「オードリー・ローズ」の原作者。早くも、「リング」の中田秀夫監督に「エンティティー 霊体」のリメイク依頼がきているそうで、どのような作品になるのか楽しみだ。
2013.10.31

 イエール大学を舞台にした『ザ・スカルズ』は、実在する秘密結社「スカル&ボーンズ」がモデルの映画。仮令、最高権力者であろうと、結社の規約には従わざるを得ないところが面白い。結局は正義が勝つところは、万人向きの映画では、そのように作らざるを得ないということなのかも知れない…一応納得。『ザ・スカルズ』に出演している、ウイリアム・ピーターゼンの演技が印象に残る。結社の定める規約119条を引き合いに出し、窮地に陥った主人公を助けるのが正義の見方ピーターゼン(上院議員の役)だ。日本の政治世界にも、規約119条のような絶対的正義の側に立つ(?)条文があって然るべきだ。
2013.12.2
 11/30、映画『ワイルド・スピード』に出演していた俳優、ポール・ウオーカー(40歳)がカリフォルニア州サンタ・クラリタで、友人(プロのレーシング・ドライヴァー)の運転するポルシェGTに同乗、街路灯と木に激突し、車が炎上する事故により友人ともども死亡した。ウオーカーは、『ワイルド・スピード』(第1作)の前年(2000年)に、『ザ・スカルズ』に出演している。似たような事故が、1977年に英国で起こっている。T.REXのマーク・ボラン(当時29歳)が、グロリア・ジョーンズ(ガール・フレンド)の運転する車に同乗、街路樹に激突して死んでいる。
2013.12.2

アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ!』は、宇宙空間を難破船で、漂流する主人公ガリー・フォイルが、救出を拒んだ不届き者を探し出して復讐する話。フォイルの顔には虎の刺青があり、一度は手術で除去したものの、刺青が怒りに反応して再び顔面に浮かび上がってくる。著者のベスターは、歌舞伎からアイディアが閃いたのかも知れない。この作品の面白いところは、誰もがテレポートならぬジョウント(タイムトラベルとは異なり、現在の時間内で瞬間的に空間移動)をすることだ。しかし、主人公はさらに特殊能力を持ち、地球上だけではなく、宇宙空間をもジョウントしてしまう。スケールの大きさに、読んでいて眩暈がしてくるほどだ。一頃ヒットした映画『ジャンパー』は、どうやらベスターのアイディアを借用したに違いない。また、音を聴くとそれが味覚として感じられるとか、情景が音として伝わってくるとか―共感覚というらしい―そういった描写などが出てきたり、アイディア満載のSF。『虎よ、虎よ!』は憎しみの凄まじさでは、メリメの『コルシカの復讐』には及ばないものの、単なる復讐譚で終わらず、ユーモアがあるので楽しめる。來年は、はたしてホップ、ステップ、ジョウントができて、景気が上向くかどうか。
2013.12.4

30代の頃、アフリカ大陸を一頭の馬を引いて、英米連合軍の包囲する敵陣を南から北へ向かって突破する夢を見たことがある。不思議に思って、何日間か記憶を辿る中に夢の謎が解けた。夢を見る何ヶ月か前に、ジーン・ハックマン主演の、『弾を噛め』(Bite the Bullet)という映画を観たのが、なぜか馬を引いてアフリカを縦断する夢に、置き換わってしまったのだった。映画の最初の方に、虫歯に苦しむ一人の競技参加者に仲間が、「この薬莢を虫歯に被せろ」と
いって空の薬莢を出して見せ、相手がその薬莢を虫歯に被せると、「弾を噛め」(”bite the bullet”)という場面がある。同映画は、馬に乗って何日もかかる長距離レースを競う、一種の西部劇映画だった。馬はライダーの命令に忠実で、死ぬまで走る動物なのだそうで、主演のジーン・ハックマンは最後の数百メートル(?)を、馬を引いて歩いたために優勝を逃す。動物愛護の感動的映画だった。
2013.12.4

『スペース・サターン』…カーク・ダグラス(マイケル・ダグラスの父親、『スパルタカス』が有名)、ファラ・フォーセット(当時、映画批評でハーモニカのような口と揶揄されていた)が出演していた。「エイリアン」を意識した創りの印象が強かった。また、『エイリアン』のパクリともいえる映画に『クリーチャー』があった。ユニークな風貌のクラウス・キンスキーが出演していた。
2013.12.5

 ロボットと人間の違いは、罪の意識を持つかどうかではないか。アイデンティティー(自己同一性)は、プログラムさえ優秀であれば、人が自己を認識するのに近いレヴェルをロボットに実装できそうだ。映画『スクリーマーズ』(原作はフィリップ・K・ディックの『変種2号』)には、ウイスキーをラッパ呑みする冷酷非情なロボットや、人間そっくりな感情を持つロボット(女)が登場する。この辺りはディックらしく、生物か無生物かではなく、善悪で区別するところが面白い。科学者は、人間の感じる痛痒の感覚は、神経が脳に伝達する電気信号だという。そうなるとロボットの、筐体内の電線が転送する0、1のデータと変わらないことになる。
2013.12.5

 ドナルド・サザランド主演のSF映画『ボディ・スナッチャー』に、州公衆衛生調査官がフランス料理を食べさせるレストランを抜き打ち検査する場面がある。厨房でレストランの支配人相手に、ケイパー/鼠の糞で意見対立、役人の「鼠の糞を食わすとはけしからん」の一言で、レストランは営業停止になる。
2013.12.12

 スイスの有名な画家H.R.ギーガーはよく悪夢をみることがあり、その悪夢を絵にすることで精神的に落ち着いたという。ギーガーの絵は、今さら言うまでもなく、悪夢の中から出現した魔物そのものだ。映画『エイリアン』に出てくる生物は、まさに悪魔めいた怪物だった。怖さでは、『遊星からの物体X』に登場する生物と、互角ではないだろうか。餓鬼の頃に観た『怪獣ウラン』はドロドロした黒っぽい生物が、地中から這い出てくる場面が不気味で、独りで夜道を歩くたびに思い出し、怖い思いをしたものだ。愉快な夢より、怖い夢の方が作品にし易いかも知れない。
2013.12.13

 CATV映画『バーン・ノウティス』に、主人公が依頼人の息子の虐め被害を知り、その息子に反撃の仕方を伝授する場面があった。虐めた奴の鼻柱に鉄拳を喰らわすのを、近くで様子見をしている、元CIAエージェントの満足気な顔が結構笑えた。虐められたら泣いてないで、反撃するくらいの元気がないと駄目だ。
2013.12.14

 映画『遊星からの物体X』の、原作であるジョン・W・キャンベルの『影が行く』は、H.P.ラブクラフトの『狂気の山脈にて』に触発されて書いた作品…アンソロジー『Antarktos Cycle』の中に編集者ロバート M.プライスが書いているらしい。HPLの読者なら一読して気づくだろう。映画『遊星からの物体X』を鑑賞後、ラブクラフト『狂気の山脈にて』を読んだら、映画の原作はキャンベル『影が行く』(原題''Who goes there?'/'The Thing from Another World')ではなくラブクラフト『狂気の山脈にて』の方…確信に変わるだろう。
2013.12.20

 ゾンビの始まりは仮死、埋葬の罰を受けた悪者が息を吹き返し、地中から死にものぐるいになって、這い出してきた姿を寓意化していたのだろうと想像する。映画『ゾンビ伝説』(監督:ウエス・クレイヴン、出演:ビル・プルマン、キャシー・タイソン)は、研究者(当時ハーバード大学院生だった人類学者ウェイド・デイヴィス)が、ハイチで取材し考察したドキュメント『蛇と虹』(The Serpent and the Rainbow)に基く映画だった。村の悪者を村人挙って、テトロドトキシンの粉末を振りかけて仮死状態にし、生き埋めにして罰するのだ。運悪く息を吹き返した当人は、辺りが真っ暗なのに仰天してしまう…原作にはそういった描写があったと思う。罰するだけなら有効な方法だ。
2013.12.23

 映画『ランド・オヴ・ザ・デッド』(Land of the Dead、2005年)…監督:ジョージ・A・ロメロ、出演:サイモン・ベイカー、デニス・ホッパー、アーシア・アルジェント、トム・サヴィーニ。、『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』、『ゾンビ』、『死霊の餌食』三部作に続く新感覚(?)のゾンビ映画。ゾンビの親玉が知恵を持ち始め、川向うにある富裕な人間どもの立て籠もる要塞都市を、ゾンビ集団を伴い襲撃する。凄惨な殺し合いよりも、ユーモアを散りばめたシーンが随所にあるのが救いだろうか。ロメロが到達した、ゾンビ映画の集大成とでもいえそうだ。
2013.12.23

 スティーヴン・キング原作のテレヴィ映画『ザ・スタンド』に、街頭で説教する神父/牧師が登場、狼狽える通行人に向かって、大声で説教する場面があった。現実がキングの小説に似てきた…最後の審判は近づいている。区別、差別では手ぬるい。これからは否でも応でも、選別が始まり善悪に別れるだろう。
2013.12.27

 政治を映画に持ち込んだ『ライトスタッフ』は公開当時日本ではあまり評判がよくなかったそうだ。その時代、日本には政治嫌いが多かった証拠になる。ジョンソン大統領にソックリな俳優が登場し、宇宙飛行士の奥さんに面会を断られ、車内からドアを肘打ちして激怒する場面が可笑しかった…傑作な映画だ。
2013.12.27

 映画『ライトスタッフ』の原題’The Right Stuff’は訳しにくい英語ではないかと思う。翻訳書では”正しい資質”となっていたように記憶している。’the dead’を死者と訳す慣わしに従うなら、’the right stuff’は”正しい資質の持ち主”になると思うのだが。
2013.12.27

3.2014年

 映画『フォース・カインド』入手以来、このところ事実なのか虚構なのか、判断し難い映画を観る機会が増えている。例えば、『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』や『パラノーマル・アクティヴィティ』、前者は伝説を基にした虚構で、後者は事実に基く演出ではないだろうか。『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』は、映画終了後、映画制作に関わった会社名や人名がゾロゾロ表示される。もし、学生3人の自主制作なら、大勢が関わった筈はないのにと想うのだが。また『パラノーマル・アクティヴィティ』には、如何にも実写っぽい場面があるが、監督が制作秘話で語っている通り、作り話なのだろう。まったく分からないのは、『フォース・カインド』、実写と演出の映像を並列に観せている場面が随所にあり、本当なのかも知れないように思ってしまう。実写映像が歪んで視えるのが、なんとも腑に落ちない。信号がノイズの妨害を受けているようで…シュメール語を話すエイリアンが干渉しているのだろうか(呵々大笑)。
2014.1.1

 戦闘場面をリアルに描くには、戦記物が大いに役立つ。映画『スター・ウォーズ』第一作の宇宙空間での戦闘場面は、邦画(戦争映画)の空中戦を参考にしたらしい(映画名失念)。究極の攻撃は、マトリックス(発生源)にアクセスして、敵性データを抹消することだろう。なにしろ、我々の住む物質世界は、マトリックスから送信してくるデータを元に構築した虚構世界に違いないから。当該兵器のスペックは…ここからはプログラミングの知識が必須になる。
2014.1.1

 旧ソ連時代の作品、『不思議惑星キンザザ』なる奇妙で滑稽な映画には、マッチ棒先端の頭薬(塩素酸カリウム、ガラス粉、硫黄の混合物)を燃料にして飛び回る、棺桶型のなんとなく可笑しい飛行物体が出現する。「クー」と「キュー」だけで会話が済んでしまう奇天烈な世界に、石柱をいとも簡単に切り倒してしまう不可視ビーム兵器が出現するのは一寸した驚きだ。一見ローテク世界とも見える世界、実はハイテク世界だった。笑いの中に、現代のテクノロジーへの痛烈な批判がある。
2014.4.28

『Uボート』...原作:ロータル=ギュンター・ブーフハイム、監督/脚本:ウォルフガング・ペーターゼン、出演:ユルゲン・プロホノフ;ヘルバート・グリューネマイヤー;クラウス・ヴェンネマン。艦内部を刻名に映し出し、艦長以下乗員の行動、心理を抑制した表現で観せる。ヒーローは出てこないが死と隣り合わせの絶望的な状況下、刻苦精励する姿は感動的だ。 結末はギリシャ悲劇のようだった。
2014.5.10

 『HELL』...制作総指揮:ローランド・エメリッヒ、監督/脚本:ティム・フェールバウム、出演:ハンナー・ヘルツシュプルング;ラース・アイディンガー;スタイプ・エルツェッグ。ドイツ、スイスの合作と銘打った映画『HELL』の宣伝文―「現在(いま)から4年後 我々の世界はもう地球(ここ)にはない」―が戦慄的だ。映画では、現在(2016年)から4年後、大気温度が10度上昇して文明の崩壊してしまった灼熱地獄が舞台。地球温暖化の原因は、太陽の発する強烈な放射光なのではないだろうか?
2014.5.10

 エルマンノ・オルミ監督『聖なる酔っぱらいの伝説』(’90年、ルトガー・ハウアー)、バーベット・シュローダー監督『バーフライ』(’87年、ミッキー・ローク)…ルトガー・ハウアー、ミッキー・ロークの酔っ払いぶりが面白い。以前、YoutubeでAC/DCの「サンダーストラック」を視聴している最中、オアシスの曲「Cigarettes & Alcohol」なる曲に気づいた。シン・リジィ(ダブリンで結成したHRバンド)の曲に「Whisky in The Jar」がある。様々なバンドがこの曲をカヴァーしている。こういった曲は歌詞を見ながら聴いたら、愉快な気分になるのではないだろうか。オアシスもアイルランド出身のHRバンド(とは知らなかった)。
2014.5.15

 ティム・バートン監督『スリーピー・ホロウ』(1999年)…出演は、ジョニー・デップ、クリスティーナ・リッチ、クリストファー・リー、クリストファー・ウォーケン(?)、マーティン・ランドーと豪華な顔ぶれ(?!)。ジョニー・デップはニコラス・ケイジの勧めで俳優になり、’84年の『エルム街の悪夢』でデヴューした(と解説にあるが知らなかった、確認せねば)。ジョニー・デップは、下級巡査(『スリーピー・ホロウ』1999年)から2年後、警部(『フロム・ヘル』2001年)に昇格している(当該2作品には何ら関連性はないので、誤解のないよう―念のため)。ジョニー・デップの一見したところ、無表情にも見える表情がなかなかの演技らしい(そのように見える―私見ではあるが)。表情といえば、『スリーピー・ホロウ』に出演している、クリストファー・ウォーケン(?)のドラキュラ顔負けの表情が面白い。ホラー映画のフアンにとっては、必見の映画ではないだろうか。
2014.6.5

 フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス、クエンティン・タランティーノ(スペシャルゲストとして一部を監督)監督『Sin City』(2005年作、124分)には、ブルース・ウィリス、ミッキー・ローク、クライヴ・オーウェン、ベニチオ・デル・トロ、ルトガー・ハウアー、フランク・ミラー(神父役で出演)など、ヴェテラン俳優がゾロゾロ出演している。原作は、監督を務めた一人フランク・ミラーの人気漫画(’popular comic’)を基にした、4話からなる劇映画。それぞれの主人公がナレーターとしてブツブツ呟くように語り、物語は進行して行く。全編を通してモノクロに部分カラーを採用し―部分カラーを採用した映画には、邦画『天国と地獄』(監督:黒澤明、出演:三船敏郎、山崎努)があった―、コミック調の劇映画として効果を上げていた。日本刀を振り回す、忍者顔負けの姐ちゃんが登場する。銃をやたら撃ちまくるアクション映画より凄みがあった―日本贔屓の映画ファンでなくともそう感じたことだろう?!如何にも腐臭を放っていそうな、どす黒く淀んだ黄色い皮膚の屑には、観客は強烈な嫌悪感を催したにちがいない。原作者フランク・ミラー、あるいはクエンティン・タランティーノのアイディアなのだろうか。
2014.6.9

 ノーマン・ジュイソン監督『夜の大捜査線』(原題’in The Heat of The Night’、1967年公開):ロッド・スタイガー(南部ミシシッピ州田舎町の警察署長)、シドニー・ポワティエ(フィラデルフィア市警殺人課の敏腕刑事。原作ではカリフォルニア州パサディナ市警とのことだが、読んでいないので不明)、ウォーレン・オーツ(警官)が出演している。警官サム(ウォーレン・オーツ)が、パトロール中に殺人事件の容疑者として、駅で客車を待つ黒人青年を誤認逮捕する。人種偏見の根強い南部の田舎町で、いつ黒人青年が正体を明かすだろうか、そこが一つの見せ場になっている(独断的感想)。見せ場は随所にある―この田舎町の警察署内で刑事ヴァージル・ティッブズのいう科白”They call me Mister Tibbs!”が、偏見著しい田舎町の警官にはどのように聞こえたか等々。署長がティッブズに、「白人と同じように考えるんだな」と、半ば驚いたようにいう場面も出てくる。ヒアリングに自信があるなら、字幕なしで鑑賞するようお勧めする。また、ジョン・バダム監督、ロイ・シャイダー主演映画『ブルー・サンダー』に、ウォーレン・オーツが貫禄あるLA(ロサンゼルス)市警警部役で出演しているのが興味深い。両映画に、そっくりな場面が登場するのも面白い。前者はパトロール車で、後者は武装へりでパトロール中に目撃/覗き見するのだが…。
2014.6.12

 リドリー・スコット監督『プロメテウス』(原題’Prometheus’、2012年公開):出演は、ノオミ・ラパス(スウェーデン)、シャーリーズ・セロン(南アフリカ共和国)、マイケル・ファスベンダー(ドイツ)等々、国際色ゆたか。この映画に『エイリアン』第一作同様の期待をしていたら、映画ファンは少なからず失望するかも知れない。監督の当初の構想とは、大違いになってしまったのではないだろうか。”「エイリアン」の原点―すべての謎が明らかに!!”なる宣伝文は大袈裟すぎる。調査の結果、地球の人類を創り出した異星人は、生物兵器を地球に持ち込もうとしていたと判明する。人類を滅ぼし、新たに何かを創造しようとしていた…これでは明らかになるどころか、さらに謎が深まるばかりではないだろうか。続編を匂わせて終わっているのは、次回こそ納得のいく説明を提示する計画が映画制作者側にあるのかもしれない、などと期待するのが映画ファンだが、果たして『プロメテウス』の続編は登場するのか、しないのか。
2014.6.13

 トニー・ギルロイ監督『』(原題’The Bourne Legacy’、2012年公開、135分):出演ジェレミー・レナー、レイチェル・ワイズ、エドワード・ノートン、アルバート・フィニー、ジョアン・アレン他。
主演のジェレミー・レナーは現在、人気急上昇中とのことだが、確かに嵌まり役だったようで、ジェームズ・ボンド役の俳優、ダニエル・クレイグに匹敵する実力者に見える。ジェイスン・ボーン・シリーズなのに、監督、主演が変わってしまった。それは、『グリーン・ゾーン』で商業的に失敗した監督ポール・グリーングラスを、シリーズから外したことに対して主演のマット・デイモンが抗議し、当該シリーズへの出演を拒否したためだという。なにはともあれ『ボーン・レガシー』には、上映時間135分と長いにも拘わらず、観る者を飽きさせない面白さがある。マニラ市街をモータサイクルで逃走/追跡するシーンは、カー・チェイス以上のスリルを堪能させてくれる。スタント・マンの腕の見せ所だったろうと思う。メインテーマ曲は前作同様だが、演奏は―声が違うので―別のバンド/ミュージシャンではないだろうか。
2014.6.15

 エドワード・ドミトリク監督『若い獅子たち』(原題’The Young Linos’、1958年公開):マーロン・ブランド、モンゴメリー・クリフト、ディーン・マーティン、マクシミリアン・シェル、リー・ヴァン・クリーフなど。女優については、まったく知らないので毎度ながら省略。上映時間168分は、時間を問題にするなら途方もなく長い(編集が拙かったか)。しかし、興味深い場面が散在、個人差はあるだろうけど、それほど長くは感じなかった。原作者アーウィン・ショー(本名アーウィン・ギルバート・シャムフォロフ)は、ロシア系ユダヤ人とのことで、映画にも納得のできる―強制収容所が登場し、焼却炉について収容所所長が語る―場面がある。焼却炉については、実在を証明する証拠はなく、戦後、ポーランド共産党が、独逸軍兵士を強制収容して造らせた偽焼却炉が残っているらしい。もちろん、この映画では焼却炉を実在すると仮定している。ジェームズ・ジョイスの『ユリシーズ』が有害図書であるとか、マーロン・ブランドが上官に向かってナチス批判をするとか…反戦映画らしい創りにはなっているのだが。
2014.6.17

 『バルジ大作戦』…監督ケン・アナキン:、出演:ロバート・ライアン、ロバート・ショウ、ヘンリー・フォンダ、チャールズ・ブロンソン、テリー・サバラス、ハンス・クリスチャン・ブレヒ。原作(ノンフィクション)、ジョン・トーランド『バルジ大作戦』。ドイツ軍の敗色濃い1944年、「ドイツ軍が最終的攻勢に出てくる」と主張する米陸軍中佐(ヘンリー・フォンダ)が現れる。霧の濃い日に偵察機を飛ばし、機上から森林の中に潜む最新鋭戦車「タイガー」の大部隊を発見する。ロバート・ショウ(ドイツ陸軍機甲部隊隊長役)の軍服姿がいたについていた。マーロン・ブランド(『若い獅子たち』)、ロバート・ヴォーン(『レマゲン鉄橋』)のドイツ軍将校役を超えるはまり役だった。強力な火力でシャーマン戦車を圧倒するタイガー戦車の弱点は、燃料が底をつきかけていたことだった。米軍の補給部隊を攻撃して、燃料を奪うためには、計画を正確・迅速に遂行する必要があった。バルジ大作戦が成功していたら、ドイツはいわれのない「ホロコースト」の汚名を背負わなくて済んだかも知れない。アドルフ・ヒトラーが、無能なゴマすりゲーリングではなく、有能なハンス=ウルリッヒ・ルーデル大佐を空軍元帥に据えていたら、空軍力で連合軍を上回ることになっただろう。結局、ヒトラー自身が無能な故に、ドイツは2度目も勝利を手にできなかった。小生は、戦争を賛美するつもりは微塵もないし、戦争で国際紛争が解決できるとも思っていない。人類の歴史から戦争がなくなったためしがないのは何故か…戦史を精査して原因を明らかにする必要があり、そのためには活字だけではなく、映像にも眼を通さなければならない。ご都合主義の自己弁護かもしれないが…。
2014.6.23

 『レマゲン鉄橋』…監督:ジョン・ギラーミン、出演:ジョージ・シーガル、ロバート・ヴォーン、ベン・ギャザラ、ハンス・クリスチャン・ブレヒ、ヨアヒム・ハンセン。実在した「ルーデンドルフ橋」を爆破し、連合軍を阻止しようとするドイツ軍と、橋の奪取を目論む連合軍との攻防戦を描いている。ロバート・ヴォーンのドイツ軍将校役(クルーガー少佐)は、軍服を身に付けていながら、にやけ顔を抑えきれていない。軍服そのものはピッタリとしていたから、余計にそのような印象を抱いてしまう(当人に責任はない?!)。精悍な顔つきのロバート・ショウ(『バルジ大作戦』)とは好対照だ。元々、そういった顔つきなのだからしようがないと言えばそうなのだが。連合軍側の小隊長ハートマン中尉(ジョージ・シーガル)と、配下のアンジェロ軍曹(ベン・ギャザラ)とのやりとりが面白い。『バルジ大作戦』、『レマゲン鉄橋』にはドイツの俳優(ハンス・クリスチャン・ブレヒ)が出演している。前者ではドイツ陸軍機甲部隊隊長付伍長の役、後者では一応軍人ながら、日本でいう小学校校長(科白に「校長」と名乗る場面があった…と思う)の役として。ドイツ軍将校役では、ドイツの俳優ハンネス・メッセマーこそ、はまり役で有名だった。
2014.6.24

 『コンテイジョン』(原題’Contagion’、2011年公開、上映時間106分)…監督:スティーヴン・ソダーバーグ、出演:マット・デイモン、ローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウ、エリオット・グールド他。新種のウイルスによる感染が世界に拡大、正体・感染源を特定しワクチンを造るべく、WHO、CDCが出動する。ジェイスン・ボーン・シリーズで大人気のマット・デイモン、今回はなぜか活躍の場が少ない、というより再婚相手が香港出張からの帰りに、夫(デイモン)の待つ自宅に帰らず、元恋人と密会した挙げ句に発症し、息子(再婚相手の連れ子)共々死んでしまう。なんとも不運な夫だが、実の娘を感染から守ろうと、孤軍奮闘する様はジェイスン・ボーンとダブって見える。この映画の見所は、制作者や監督の意図に反し、観客は医師のウイルスとの格闘よりも、フリー・ジャーナリスト(ジュード・ロウ)の、インターネットを利用して1,200万人の支持者に、ワクチンではなく薬草「レンギョウ」の効力を訴える、その活躍ぶり/ペテンぶりの方に関心が向いてしまうこと請け合いだ。感染しているかのように装い、レンギョウなる薬草の煎じ薬を飲み、徐々に回復してゆく様を映像を交えて証明して見せるのだ。ネット・ユーザを騙すその騙しっぷりには唖然、呆然としてしまう。他にも見せ場があり、本作はソダーバーグ監督の力作ではないだろうか。女優陣が充実しているのも―初見なので演技について語れないのが残念。それぞれにさりげなく熱演しているように見える―この映画への制作者、監督の思い入れの強さが伺える。
2014.6.26

 『プレデターズ』(原題’Predators’、2010年公開、上映時間107分)…監督:ニムロッド・アーントル、出演:エイドリアン・ブロディ、トファー・グレイス、アリシー・ブラガ、ローレンス・フィッシュバーン、ダニー・トレホ、ウォルトン・ゴギンズ、オレッグ・タクタロフ、ルイス・オザワ・チャンチェン、マハーシャラルハズバズ・アリ他。個性的な風貌の俳優、エイドリアン・ブロディ(『戦場のピアニスト』)が主演の本作は、果たしてプレデター・シリーズに新風をもたらしただろうか。ブロディ、フィッシュバーン、ブラガの3人を別にして、ユニークな名前の役者が勢揃いといった感じだ。トレホ、ゴギンズ、タクタロフ、チャンチェン、マハーシャラルハズバズ。その中で、特異なキャラクターとして登場するのが、ヤクザ組員役のルイス・オザワ・チャンチェン。合衆国で活躍する台湾出身の俳優らしい。プレデターとの日本刀を振り回しての一騎打ちが、この映画の最高の見せ場ではないか。今回、プレデターと闘う相手は、突然、地球から何処とも知れない惑星に送り込まれた、それぞれにクセのあるキャラクターのはずだが、ブロディ、チャンチェン、アリシー・ブラガを除き、それほど際だったキャラクターは登場しない。中でも、フィッシュバーンはおまけではないかと思えるほど何もしない。日本刀を隠し持っていたから、プレデターと格闘して奪ったのだろうが、自分が生き残ることしか考えていない、利己主義者に見えるところが面白いともいえる。
2014.6.27

 『戦争のはらわた』(1977年公開、イギリス・西ドイツ合作、原題:英『Cross of Iron』;独『Steiner - Das Eiserne Kreuz』、上映時間133分)…監督:サム・ペキンパー、出演:ジェームズ・コバーン、マクシミリアン・シェル、センタ・バーガー、デヴィッド・ワーナー、ジェームズ・メイソン他。第二次世界大戦の東部戦線で、橋頭堡を巡って対峙するドイツ軍とソ連軍の死闘を描く。ペキンパー監督の得意とする、スローモーションが戦争の凄まじさを描いて余すところがない。原作者ウィリー・ハインリッヒ(Willi Heinrich)は、ドイツ出身の作家・エッセイスト。ドイツ向けの題名は、『シュタイナー - 鉄十字勲章』で、シュタイナー軍曹(ジェームズ・コバーン、小隊長役)の胸に輝く(?!)鉄十字勲章が伏線になっているようだ。勲章を何とも思っていないシュタイナーの対局には、鉄十字勲章に異常に執着する、西部戦線(フランス)から着任したプロイセン貴族のシュトランスキー大尉がいる。「こんな鉄くずにどうして拘るのか」と問う軍曹に、大尉は「勲章なしでは故郷に帰れん」と応える。科白の内容は記憶を頼りに書いているので正確ではないが、大体そのような科白だった(ような気がする…かなり好い加減)。日本語題名「戦争のはらわた」には、絶賛するファンもいるので何とも複雑な気分になる。『死霊のはらわた』(1981年、サム・ライミ監督・脚本・製作)は、二番煎じになってしまったが、ホラー映画に相応しい題名ではないだろうか。
2014.6.29

 『ドラキュラ』(公開1992年、上映時間128分)…監督:フランシス・フォード・コッポラ、出演:ゲイリー・オールドマン、ウィノナ・ライダー、アンソニー・ホプキンズ、キアヌ・リーヴス他。ブラム・ストーカーの原作『ドラキュラ』に登場する、ドラキュラ伯爵のモデルは、旧ルーマニア南部の公国ワラキア公ヴラド・ツェペシュ(ヴラド3世)。ツェペシュは「串刺し」を意味し、ヴラド3世は「串刺し公」なる異名を持っていたという。アイルランドの作家、ブラム・ストーカーが串刺し公をモデルにして創作したのがホラー小説『ドラキュラ』だった。原作のイメージを忠実に再現した映画『ドラキュラ』は、『ゴッド・ファーザー』、『地獄の黙示録』に次ぐコッポラの代表作だろうと思う。ゲイリー・オールドマンの、不気味なドラキュラ伯爵が秀逸。小説の中心人物ジョナサン・ハーカーを、演じるキアヌ・リーブズは完全に脇役になってしまっている(当人は気にしないだろうけど)。ハーカーが、四頭立て馬車の乗客としてドラキュラ城に赴く場面や、蠅の王に忠誠を誓う振りをする狂った人物(実は正気?)の、登場する場面は原作に忠実だった(気がする)。純真な女性を演じるウィノナ・ライダー(二役)は、おどろおどろしい世界に咲く一輪の可憐な花の趣だ(本当かな)。
2014.7.1

 『アルタード・ステーツ』(原題’Alterted States’、1979年制作、1981年公開、上映時間103分)…監督:ケン・ラッセル、出演:ウィリアム・ハート、ブレア・ブラウン、ボブ・バラバン、チャールズ・ハイド他。硫酸マグネシウム溶液(10%)の入った、ボイラーと称する瞑想用タンク(アイソレ―ション・タンク)内で被験者はDrugを服用し、外界と遮断した状態で生命の進化過程を逆行して行く。薬物を併用しなければ、精神世界を遡っていけないところに、人間の弱さがあるように思わせる―本作の素晴らしさ(?!)はそこにある。映画は、ジョン・カニンガム・リリー(合衆国の脳科学者)の開発した、アイソレーション・タンクを用いた実験が基になっていて、単なる世迷い言や妄想の類いではない。映画の原作者は、ロシア系ユダヤ人のパディ・チャイコフスキー。米アカデミー賞、英アカデミー賞、ゴールデングローブ賞の各賞で脚本賞を受賞している。エマニュエル・スウェーデンボルグのように、Drugや瞑想用タンクを使用することなく、顕界と精神世界を自由に往来できるなら、それに越したことはないと思うのだが。他に、呪術師数人(メキシコ・インディアン)が、成分不明の物質を煎じて服用する場面があり、それを試した主人公ジェッサップ(ウイリアム・ハート)は強烈な幻覚を体験する。いろいろ考えさせる映画だ。結末はハッピーエンドで終わっていて、悪夢から醒めたような気分になれてよいかも知れない。
2014.7.3

 『ターミネーター4』(原題’Terminator Salvation’)…監督:マックG(本名ジョゼフ・マクギンティ・ニコル)、出演:クリスチャン・ベイル、サム・ワーシントン、マイケル・アイアンサイド他、知らない女優、俳優が多い―主演のベイルも初見。『太陽の帝国』の少年役でデヴューし、アカデミー助演男優賞、 ゴールデングローブ賞 助演男優賞他、数々の賞を受賞しているという。ワーシントンを、映画も観ずに知っていたのは、映画『アバター』が3Dで話題になったためだった。マイケル・アイアンサイドは、カナダ・オンタリオ出身の監督・脚本家にして俳優という多才な人物。一見ワルそうだが、タフな正義の味方役が多かったような気がする。『V』ではエイリアン(トカゲ人種)に向かって、悪態をつく抵抗組織のリーダー役だったが、 『トップ・ガン』では新米の海軍パイロットを養成する教官役で出演していた。『ターミネーター4』ともなると、何番煎じになるだろうかと思うばかりで、期待するほどの見せ場はなかった気がする。しかし、まったくなかった訳ではない。モータサイクル型の新種が登場する場面はけっこう楽しめる。ワーシントン演じるターミネーターが、自分を人間と信じ込んでいる処など、フィリップ・K・ディックのSFからアイディアを拝借したのではないだろうか。
2014.7.4

 『ヘルハウス』(原題’The Legend of Hell House’、1974年公開、上映時間94分)…監督:ジョン・ハフ、出演:パメラ・フランクリン、ロディ・マクドウォール、クライヴ・レヴィル、ゲイル・ハニカット他。ホラー/オカルト映画で賑わった1970年代、『エクソシスト』(1973年)、『ヘルハウス』(1974年)、『オーメン』(1976年)が相次いで公開となり、ファンは恐怖に震えながら映画を楽しんだ。CGが特撮の代役を果たすほど発達してはおらず、手間暇かかる撮影が主流の時代に、本作のような良作ができていた。ロンドン郊外のワイクハースト・ハウスという無人の大豪邸が舞台の本作には、ロールス・ロイスが登場し、映画に風格を与えていた。原作者リチャード・マシスンは、数々の小説を創作し、2013年6月に他界した。作品はすべて手書きで書き上げるタイプで、今時の作家としては希有の部類に属するだろう。他界時には87歳という高齢に達していたが、その当時まで小説を手書きで書いていたとしたら驚異的だ。
2014.7.5

 『インタヴユー・ウイズ・ヴァンパイア』(原題’Interview With The Vampire’、1994年公開、上映時間123分)…監督:ニール・ジョーダン、出演:トム・クルーズ、ブラッド・ピット、アントニオ・バンデラス、クリスチャン・スレーター、キルスティン・ダンスト他。脚本は原作者のアン・ライスが、特殊メイクアップは『エイリアン2』のスタン・ウインストンがそれぞれ担当している。撮影は『リバー・ランズ・スルー・イット』のフィリップ・ルースロ―映像が素晴らしい。減量して退廃的な表情をした、トム・クルーズのレスタト役は、ヴァンパイア映画の中でも上位に入る嵌まり役ではないだろうか。また、アントニオ・バンデラスのヴァンパイア役が面白い。キルスティン・ダンストの子役はよかった。しかし、ダンストと似たような、丸顔のブラッド・ピットには違和感を覚えた。リヴァー・フェニックスの急逝で、クリスチャン・スレーターが代役を務めたのは正解だった。映画終了の最終画面に、’In Memory of River Phoenix 1970 - 1993’の字幕が流れる。撮影開始後、マロイ役(ヴァンパイアにインタヴューする役)のリヴァー・フェニックスが急逝したための追悼記か。主題歌はローリング・ストーンズの曲を、ガンズ&ローゼスがカヴァーした『悪魔を憐れむ歌』。デンゼル・ワシントン主演映画『悪魔を憐れむ歌』(原題’Fallen’、1998年公開)では、ローリング・ストーンズの同曲が映画終了後に流れていた。
2014.7.6

 『エンティティー 霊体』(原題’The Entity’、公開1982年、上映時間126分)…監督:シドニー・J・フューリー、特殊メイクアップ:スタン・ウインストン、音楽:チャールズ・バーンスタイン。出演:バーバラ・ハーシー、ロン・シルバー、デイヴィッド・ラビオサ、ジョージ・コー、マーガレット・ブライ他。交際している相手の旅行からの帰りをまつ、子持ちの若い母親(独身)が、色情狂の霊体から性的暴行を受ける。フランク・デ・フェリータの原作(事実)を基に、原作者みずから脚本を手がけたオカルト映画。女主人公のカーラ(実名らしい)が、精神医学者に相談を持ちかけるが埒が明かず女友達と書店に行き、回答を求めて超心理学に関する本を捜す。そこで偶然、大学超心理学部の研究者2人に出会う。霊体に質量があるなら、液体ヘリウムで凍らせることができ、単なる心霊投射ではなく実在していることを証明できるという。大学構内にカーラの住む借家を再現、液体ヘリウムを使用して霊体を捉えようとする。制御室から監視を行ない、霊体が現れたらカーラを脱出させ、直後に液体ヘリウムを建物上部から噴射する計画を実行に移す。しかし、監視中に事態は急変、制御不能に陥った装置が暴走を始め、カーラは液体ヘリウムの噴射をかわして難を逃れる。直後にカーラは、霊体の凍りついた氷の山を目撃することになる。映画が事実だとしたら、フロイトの迷妄に捕らわれた想像力の乏しい精神科医や、研究熱心な超心理学研究者が被害者カーラの救済を二の次にしているのは解せない。直後にカーラは、霊体の凍りついた氷の山を目撃することになる。映画が事実だとしたら、フロイトの迷妄に捕らわれた想像力の乏しい精神科医や、研究熱心な超心理学研究者が被害者カーラの救済を二の次にしているのは解せない。カーラに必要なのは、精神的カウンセルや霊体の正体を知ることではなく、悪魔払いではなかっただろうか。公開時の映画の最終画面には、次のような字幕がでる―1.based on the novel "The Entity"by Frank DeFelitta、2.’Based on a true story...that isn't over yet’。回数は減ったが今でも性的暴行は続いていると…
2014.7.9

 『コンスタンティン』(原題’Constantine’、公開2005年、上映時間121分)監督:フランシス・ローレンス、出演:キアヌ・リーヴス、レイチェル・ワイズ、ティルダ・スウィントン(大天使ガブリエル)、ピーター・ストーメア(サタン)他。冒頭で第二次大戦後所在不明となっていた、ロンギヌスの槍(世界の命運を握るといわれる別名「運命の槍」)の先端(穂先部分)が、何故かメキシコのとある廃墟の床下から見つかる。主人公ジョン・コンスタンティンは、肺を患うヘヴィスモーカーの悪魔祓い師。コンスタンティンは、「ハーフ・ブリード」―天国や地獄から地上にやってきて主導権争いをしている侵入者―が見える特殊能力を持つ。鬱病が昂じて自殺してしまった双子の他方を、地獄から救い出したいと希う若い女。その女の希いを叶えてやるべく、コンスタンティンは女を地獄に進入させる。バスタブの中に冷水を満たし、その中に女を沈め、地獄へと潜り込ませるのだ。原作『ヘルブレイザー』なるマイナーな、アメリカン・コミックスを劇映画化した、制作者や監督の手腕には脱帽する。地獄と其処に蠢く悪鬼の群れの描写が秀逸だ。水の入ったバケツに足を入れ、猫をみつめている中に地獄に転移してしまうコンスタンティン。戻るときにはどのようにするのか、見落としてしまったかちょっと気がかりだ。性を超えてしまった大天使ガブリエルや、スーツに身を固め洒落者然としたサタン様がなかなかよい。理解しにくい映画かもしれないが、先入観念を捨ててしまえば楽しめるだろう。
2014.7.10

 『ミッドウェイ』(原題’Midway’、公開1976年、上映時間131分)…監督:ジャック・スマイト、脚本:ドナルド・S・サンフォード、音楽:ジョン・ウィリアムズ、出演:(米国側)ヘンリー・フォンダ(チェスター・W・ニミッツ大将)、グレン・フォード(レイモンド・A・スプルアンス提督)、チャールトン・ヘストン(マット・ガース大佐)、ジェームズ・コバーン(ヴィントン・マドックス大佐)、ハル・ホルブルック(ジョセフ・ロシュフォート中佐)、ロバート・ワグナー(アーネスト・L・ブレイク少佐)、ロバート・ミッチャム(ウィリアム・F・ハルゼー中将)、(日本側)三船敏郎(山本五十六大将)、ジェームズ繁田(南雲忠一中将)、ノリユキ・パット・モリタ(草鹿龍之介少将)、ロバート・イトー(源田実大佐)、クライド草津(渡辺安次中佐)、クリスティナ・コクボ(佐倉春子)他。日米の勝敗を別けたミッドウエイ海戦は、真珠湾攻撃で圧倒的に有利だった日本連合艦隊の敗北を決定的にした。映画の中心人物として登場するマット・ガース大佐は、実在したのかウエブで調べてみたが架空の人物らしい。本作は公開当初、合衆国建国200年記念作品という触れ込みだったらしいが、記録映画や他の劇映画からの流用どころか、日本の特撮映画からの無断使用まであるとか。ストーリィに一貫性がなく破綻していたのはいただけない。面白いのは、ロバート・ミッチャム演じるハルゼー中将。本来ならば、ミッドウエイ海戦の指揮を執るはずが、皮膚病に罹り海軍病院(’U.S.NAVAL HOSPITAL - PEARL HARBOR’)に入院するはめになり、スプルアンス提督と交代せざるを得なくなる。ちょっとした逸話としては面白いが、ちょい役になってしまったロバート・ミッチャムには、気の毒にと同情せざるを得ない。欠点だらけの映画だが、日米開戦を検証するには役立つかもしれない(?!)。
2014.7.11

 『エミリー・ローズ』(原題’The Exorcism of Emily Rose’、公開2006年、上映時間120分)…監督:スコット・デリクソン(2000年公開の『ヘルレイザー/ゲート・オブ・インフェルノ』を監督している)、出演:ローラ・リニー(弁護士)、キャンベル・スコット(検察官)、メアリー・ベス・ハート(判事)、トム・ウィルキンソン(神父)、ジェニファー・カーペンター(エミリー・ローズ)他(括弧内は映画での役柄)。本作は、ドイツの少女アンネリーゼ・ミシェルに降りかかった実際の憑依現象を基にした映画。不可知論者の弁護士と、信者でもある検察官との法廷闘争が、いちばんの見せ所かも知れない。ウエブ上には、憑依現象を統合失調症(精神分裂病の別称)で片づけてしまった安易な解説もある。素人にはもちろん、精神科医にさえ理解し難い世界が、この世に存在する可能性を想像できないらしい。還元主義にがんじがらめでは、事実を基にした著書(マラカイ・マーティン『悪魔の人質』、ラルフ・サーキ『エクソシスト・コップ』など)を読む機会があったとしても、信じることは到底できないのだろう。見えない世界の存在を認めない頑固者は、サーキの「神を信じるかどうかは、あくまで本人の自由だ。…わたしが何を言おうと、信じない人は最初から信じない。そういう愚かな人間たちを、これまでいやというほど見てきた。…悪魔の存在を信じる人は、同時に神の存在も信じるはずだ。」という意見を噛みしめてみるべきではないだろうか。
2014.7.12

 『オードリー・ローズ』(原題’Audrey Rose’、公開1977年、上映時間113分)…監督:ロバート・ワイズ; 原作・脚本:フランク・デ・フェリータ; 制作:ジョー・ワイザン、フランク・デ・フェリータ; 出演:マーシャ・メイソン、アンソニー・ホプキンズ、ジョン・ベック、スーザン・スウィフト他。自動車事故で亡くなったエリオットの娘オードリー・ローズが、11年後にビルの娘アイヴィー・テンプルトンとして転生する。雨降りの日に限って、アイヴィーは発作を起こす。逆行催眠による公開実験の最中に、心臓発作を起こしたアイヴィーは息を引き取る。結果として、オードリー・ローズの霊は永眠するが―アイヴィーの霊は報われることはないのか?本作は、輪廻転生の実在について考えさせ、観る者を複雑な思いに駆り立てる。映画終了後、聖典『バガヴァッド・ギーター』からの引用文が流れる。同聖典によれば―魂に終わりはなく、未来永劫存在し続けるとか―。ロバート・ワイズは、『たたり』(原題’The Haunting’、原作シャーリー・ジャクソン、1963年公開)を監督している。ポスターは、ゴシックホラーに相応しいディザイン、しかも通行人が思わず立ち止まり、見入ってしまう宣伝文がついている―”You may not believe in ghosts, but you cannot deny terror!”。
2014.7.15

 近郊のレコード店にでかけ、映画『V』(リメイク版)の第2集を探したが見つからなかった。オリジナル版、リメイク版の第1集を観賞、甲乙つけがたい面白さだった。リメイク版に登場するFBIの、チョッとカトリーヌ・ドヌーブ似のタフな、美人捜査官の活躍がすばらしい。中でも、注意を惹きつけた演技力―表情の演技がよかった。ウエブで調べたところ、元々舞台女優だったというから納得だ。第2集が、当初13話のはずが視聴率低迷から、10話で放送打ち切りになったらしい。過去に、『ポイントプレザントの恐怖』が、視聴率低迷を理由に13話で終了してしまったそうで、金がすべての世の中では止むを得ないのかもしれない。
2014.7.15

 20数年ぶりに映画『V』を観なおしていて、オリジナル版第一集(’First Season’)の一部に、気になる部分を発見した(単に気づいただけなのだが)。かつて、ヒトラー総統の許で宣伝映画を造った、女流監督レネ・リーフェンシュタールは、映画が政治的な宣伝に絶大な効果があるのを証明した。『V』もまた、政治宣伝に一役買っている。ホロコースト、ガス室、ファッシズムなどの常套句(?!)がスクリーン上に湧き出てくる。映画制作者側には、当初からドイツを非難する意図があったとしか思えない。第2次世界大戦終結から40年は過ぎていた、1980年代に制作した映画『V』を利用してドイツを非難した連中は、如何なる存在なのだろうか。日本が、得体の知れない連中の捏造した「追軍慰安婦」や「南京大虐殺」が原因で、未だに非難を浴びているのと同根ではないか(?)。
2014.9.19

 『The Lords of Salem』(邦題『ロード・オブ・セイラム』)…2012年制作、2013年公開、監督:Rob Zombie/Rob Cummings(ロブ・ゾンビ/ロブ・カミングズ)、出演:シェリ・ムーン・ゾンビ、ブルース・デイビソン、マリア・コンチータ・アロンゾ他。主演はロブ・ゾンビの細君(元「White Zombie」のバック・ダンサーを務めていたとか)、脇役のブルース・デイビソンは『ウイラード』に、またマリア・コンチータ・アロンゾは『プレデター2』にそれぞれ出演していた。『ロード・オブ・セイラム』の監督ロブ・ゾンビは、元ヘヴィ・メタルバンドのヴォーカリストを務め、バンド解散後はソロ活動をする傍ら、画家、作家、映画監督、メイクアップアーティストとして活躍…その多才ぶりには驚く。日本では去年(2013年)に公開したらしいが、まったく気づかなかった。今回、原作『The Lords of Salem』(翻訳版『ロード・オブ・セイラム』、B.K.エヴェンソンとの共著、TOブックス刊)を偶然入手し、ロックバンド「White Zombie」および、ヴォーカリストのロブ・ゾンビの存在を知った。ホラー映画はかなり観てきたつもりだが、同映画の存在をまったく知らなかった。セイラムには、魔女裁判で荒れ狂った一時期があった―未見の映画『The Crucible』(出演:ダニエル・デイ・ルイス)は、歴史的事実をどのていど描いているだろうか、観てみねば。TO文庫『ロード・オブ・セイラム』は、平易な訳文で読みやすいが、あまりホラーの雰囲気が伝わってこない。また、一部に気になる部分がある―訳文中に’FCC’と表記し、括弧内に訳注として英語「Federal ...」、日本語訳「連邦通信委員会」を併記している―括弧内の日本語訳だけで意味は通じるのだが。
2014.10.7

 映画DVD『Zero Dark Thirty』を入手した。タイトルの意味は、「ビンラディン(暗号名:ジェロニモ)殺害時刻を指す軍事暗号名」…そういった説明が箱に印刷してある。監督は、アイルランド出身のキャスリン・ビグロー。ヴァンパイア映画『Near Dark』を監督した女流監督。
2014.10.10

 『ディアトロフ・インシデント』は「ディアトロフ峠事件」(ソ連)の真相に迫るSFアクション。「エリア51」は有名過ぎ、今では殆ど話題にもならないが、1959年、ウラル山脈のディアトロフ峠周辺で、不可解な事件が起こっている。9人のスキーヤーが謎の死を遂げた未公表に近い事件…一体何が?『The Dyatlov Pass Incident』(ディアトロフ・インシデント、米・英・露合作)…初公開2013年2月28日 (ベラルーシ)。監督:レニー・ハーリン、脚本:ヴィクラム・ウィート、音楽:ユーリ・ポテイェンコ、編集:スティーヴ・ミルコヴィッチ。出演:ホリー・ゴス、マット・ストーキー、ルーク・オルブライト、ライアン・ホーリー、ジェンマ・アトキンソン。監督を除き、知っている人物が一人もいない。1999年に公開した、ドキュメンタリー風の映画『The Blair Witch Project』(ブレア・ウイッチ・プロジェクト)を想起させるのはそのためか。1959年のソ連時代、ウラル山脈ディアトロフ峠を越えようとしていた、9人のスキーヤー/登山家が死体となって発見される。映画『クリフ・ハンガー』の監督レニー・ハーリンが、その事件の調査に乗り出し制作したのが本作。『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』同様のドキュメンタリー・タッチで撮影が進行して行く。UFO、エイリアンが絡んだ当該事件の真相が、どの程度あきらかになるか…そこが最大の見所だろう。
2014.10.10

 公開前から大評判のデンゼル・ワシントン主演映画『イコライザー』は、さしずめ米国版『必殺仕置人』といえる。相手が単数/複数を問わず、わずか19秒間で抹殺してしまうところが見処らしい。普段はホームセンターの従業員、実は元CIA工作員という設定。早くも、続篇の計画が進行しているという。
2014.10.25

 テレヴィ視聴を止めてしまって久しいが、杉下、亀山コンビの活躍する『相棒』は、テレヴィドラマとしては結構楽しめた。杉下右京の紅茶を嗜む英国紳士風(?)の一寸キザな語り口に、最初は違和感を持ったが、その中に面白みを感じるようになった。洋画ばかりではなく、偶には邦画を観て日本人の精神を取り戻さないと、「余所者」やら「何処かの馬の骨」と間違われそうだ…?
2014.11.22

 2006年公開の映画、リメイク版『オーメン666』の、特典映像(「Revelation」)に登場する複数の人物(*)が、「2006年6月6日に何かが起こる」と語っていた。今では記憶も薄れてしまったが、同年には実際のところ何があっただろうか。『ヨハネの黙示録』第13章に登場する666は、海に姿を現し、世界を支配した後に破滅に追いやるのだそうだ。現代では、「海」を「政治の世界」とする解釈が定着している。その特典映像に登場する一人、ティム・ラヘイは次のように語っている…「反キリストがいつ出現するかは、”世の終わり”がいつかによる。その日は近いと思う。悪魔は地上に存在し、力を増大させているはずだが、誰が悪魔かは不明だ。」*スティーヴン・オリアリー(コミュニケーション学教授)、ティム・ラヘイ(キリスト教作家)、ブライアン・ムーア(サタン教会魔術師)、ダン・グレイバー(ラビ)、ジーン・ロス(陰謀解明ホビースト)、フィル・ラーク(ポーカー・チャンピオン)、ソフィア・ハーヴェイ(映画学者)、ダン・マクダーモット(脚本家)、ジョン・ムーア(『オーメン666』監督)、バリー・リチャーズ(音楽プロモーター)、ウエイン・アオキ(心理学者)。
2014.11.28

 映画『アルタードステーツ』を観ていて、一寸した発見をした。ウイリアム・ハートと共演した女優ブレア・ブラウンがCATV映画『フリンジ』に、「マッシブナントか」なる最先端技術を研究・開発する巨大会社のCEO(?)役で出演していたことだ。話す時の口許が昔のままでなければ気づかなかった。
2014.12.26

4.2015年

 2月13日、帰りの電車待ちをしている間、北風が吹いてきて凍えているところに5分遅れの案内放送があった。寒さに震えながら、そういえば13日の金曜日だったなと気づいた。レコード店で今まで見つからなかった映画2本を発見、早速入手した。その中、1本は当分出てこないと諦めていたので大満足。
2015.2.13

 1本は『カウボーイズ&エイリアンズ』(出演ダニエル・クレイグ、ハリソン・フォード)、もう1本は『ザ・ローズ・オヴ・セイラム』(監督ロブ・ゾンビ)。後者は以前に小説を読み、面白いと思った作品…ロブ・ゾンビ、ブライアン・エヴンソン(大学教授、プロ作家)の共著だから面白くない訳はない。
2015.2.13

 先月末、個人書店で『昭和陸軍全史2 日中戦争』(川田稔著、講談社現代新書)を、レコード店で『ミッション:8ミニッツ』(ジェイク・ギレンホール出演映画)を購入した。新書の方は、『…全史1』を読了して間もないので絶好なタイミングだったし、映画の方は以前に予告編を鑑賞、面白いと思った。
2015.2.23

 ジェイク・ギレンホールは『ゾディアック』に出演、2枚目ではないが上手い俳優だったので憶えていた。中々見つからなかった『カウボーイズ&エイリアンズ』(D.クレイグ出演)、ホワイト・ゾンビ監督の映画『ザ・ローズ・オヴ・セイラム』2巻を入手した当日が、13日の金曜日なのは帰宅途上で気づいた。
2015.2.23

 映画『エイリアン』の前譚に当たる『プロメテウス』は、リドリー・スコットが監督したにも拘わらず映画ファンを失望させたらしい。しかしそれで終わらず、続篇の制作が進行中とか...スコットが続投するのかどうか少しばかり気になる。新作『エイリアン』登場のニュースもあり、大いに期待している。
2015.3.3

 新作『エイリアン』の監督には、『第9地区』や『エリジウム』のニール・ブロムカンプの名前が挙がっている。リドリー・スコット、ジェームズ・キャメロン、デヴィッド・フィンチャー、ジャン・ピエール・ジュネが監督を務めてきた『エイリアン』が、5代目監督ブロムカンプによってどのように変身するか…楽しみだ。
2015.3.3

 『スター・トレック』の人気キャラクター、Mr.スポックを務めたレナード・ニモイを『ボディ・スナッチャー』(監督フィリップ・カウフマン)で観たのが最初だった。最近では、CATV映画『フリンジ』にも登場していた。NASAでは、Mr.スポックから様々な示唆を得てきたというから侮れない。
2015.3.3

 3月13日は金曜日…それがどうしたと言われればそれまでのことなのだが。当日は電車内で、他の乗客の邪魔にならないよう注意しながら新聞を広げたので早々に気づいた。前回の2月は幸運にも『ロード・オブ・セイラム』を見つけ、帰宅途中で13日の金曜日なのに気づいて、少々驚いたのを憶えている。
2015.3.13

 本日は欲しいと思っていた『フリンジ』3作目を発見、残念ながら次回に見送ることにした。替りに、『スター・トレックⅠ』を\1,080で入手した。3枚3千円の時代に一枚だけ買うのは損かも知れないが、一度に使う金額を決めてあるので、矢鱈に出費はできない…年金暮らしなので質素にしなければ。
2015.3.13

 『フリンジ』(J.J.エイブラムズ)に登場するマッドサイエンティストは、『スキャナーズ』(デヴィッド・クローネンバーグ)に既に登場していた。エイブラムズ監督は当該作品から霊感(?)を得たに違いない。こういった例は映画の世界ばかりか小説の世界にも存在する。完成度が高いなら問題ない…
2015.3.13

 貧乏暮らしの身では、読みたい本や観たい映画を手当り次第に買い漁る余裕はない。外出する度に、なにがしかの出費は覚悟の上だが、大抵は食糧調達が目的の外出なので、帰りにチョイと一盃という訳にはいかない。もっとも、独身時代にはハシゴ酒の常習者だったが。現在の窮乏生活は自業自得ってことに…
2015.3.13

 近くのレコード店で、ダニエル・クレイグが出演していると知って映画『ミュンヘン』(監督:スティーヴン・スピルバーグ)を買った。『カーボーイズ&エイリアンズ』では、クレイグはジェームズ・ボンド役そのままの格闘を演じ、『ドラゴン・タトゥーの女』では非力なジャーナリスト役を何の苦もなく演じていた。
2015.3.20

 スピルバーグといえば、『JAWS』が最高傑作(『激突』を挙げる人もいる)で、後は『未知との遭遇』を含めオマケ程度ではないだろうか…人権問題を主題にした映画には些かシラケる。『ミュンヘン』にはイスラエルの諜報機関モサドの面々が登場、報復に乗り出す。さしずめ「復讐するは吾にあり」か。
2015.3.20

 1972年のミュンヘン・オリンピックで、イスラエルの選手11人がパレスティナ・ゲリラに殺され、モサド(イスラエルの諜報機関)が報復する様子を映画化したのが、映画『ミュンヘン』だった。映画を監督で選別している、臍曲がりな一映画ファンとしては、この映画は選び難い…異論はあると思うが。
2015.3.20

 真偽の程は兎に角、日本人こそユダヤ12部族の子孫であるとする説がある。もしそれが本当なら、ユダヤ教教徒であるユダヤ人を何と呼称したらよいのだろうか。旧約聖書には「復讐するは吾にあり。吾、それに報いん」なる一文が載っている。『日月神示』には小生の知る限り、復讐の二字は見つからない。
2015.3.20

 D.クレイグが出演している『ミュンヘン』を鑑賞後、かなり陰鬱な気分になった。1972年、ミュンヘン・オリンピック開催時、11人のイスラエル人選手が「黒い九月」を名乗るパレスティナ・ゲリラの面々に殺された。イスラエルはこれに対して、モサドの一員をリーダーとする暗殺チームを結成する。
2015.3.23

 『ミュンヘン』の原作は、モサドの一員だったジョージ・ジョナス『標的は11人』(著書名は記憶で書いているので正確かどうか不明、新潮文庫、現在絶版らしい)が書いたノンフィクション。原作を読了した当時、映画鑑賞後と似たような陰鬱な気分に陥ったのを憶えている…報復の連鎖は今も続く(?)。
2015.3.23

 近くのレコード店でリメイク版『V』(CATVドラマ)に就いて訊いてみたところ、2シーズンで打ち切りになったという…何処のレコード店にもないのはその為だった。数年前、1シーズン1パック(6話)を購入しそれっきりだった。主役を務めたエリザベス・ミッチェルのFBI捜査官役が面白かった。
2015.3.27

 財布の中身が乏しくなってきたので、本日は映画DVDを一枚購入したに留まった。年金暮らしの身では、嗜好品どころか日用品さえ買い控えなければならない。書籍やDVD、CDを買えるのも一日一食を厳守しているからだ。胃袋に必要以上に詰め込むより頭脳に新鮮な知識を取り込む方が為になる(?)。
2015.3.27

 前回はキーファー・サザーランド主演『ミラーズ』、今回はJ.J.エイブラムズ監督『スーパー8』を購入した。キーファーの出演作を観るのは臨死体験を扱った『フラット・ライナーズ』以来だ。『ミラーズ』は鏡の世界からの得体の知れない存在からの干渉/侵略を描いている(内容は観てのお愉しみ)。
2015.3.30

 J.J.エイブラムズは、スティーヴン・スピルバーグの初期監督作品から影響を受けたようで、『スーパー8』はスピルバーグ作品へのオマージュになっているという(オマージュが何を意味するのか知らず…悪しからず)。エリア51を題材にいているらしい。『ゼロ・ダーク・サーティ』(監督:キャスリン・ビグロー)に出演した俳優が保安官代理役で出ているので買った。
2015.3.30

 K.チャンドラーは、『ゼロ・ダーク・サーティ』にCIAイスラマバード支局長役で出演、アクション場面なしの静かなアメリカ人(?)を演じていた。『スーパー8』では小さな田舎町の保安官代理役を演じた…アクション場面が結構あり、2作品を見比べたらその違いが好対照なので面白いかもしれない。
2015.3.31

 映画DVDに付いてくる制作場面を撮影した特典映像は大変面白い。出演者の演技の良し悪しは勿論、監督の映像感覚が作品の出来映えを左右するのがよく分かる。建築家が設計図の段階で建物を立体的に想像するように、映画監督は撮影の段階で再生時の映像を想像するのだろう。有権者にも想像力が必要だ。
2015.4.13

 邦画衰退の原因として、商業主義を挙げるのが通例のようだが果たしてそうなのか。英文学者、吉田健一によれば「文学は文章」なのであるとか。その伝でいうなら、映画はさしずめ映像ということになる。文芸大作の大作たる所以はシナリオの良し悪しはもちろん、映像の仕上がりも重要な要素になるだろう。
2015.4.21

 最近観た映画で面白かったのは『ヘルボーイ』、『崖っぷちの男』だった。前者はアメコミを基にした劇映画。監督は長大なSFを書いた才人、知る人ぞ知るギレルモ・デル・トロ。近くのレコード店で『パシフイックリム』なる映画DVDを立ち見したら、監督が『ヘルボーイ』のギレルモ・デル・トロだった。タイトルからは面白さは伝わってこなかったが、監督がデルトロと知って俄然、興味が湧いてきた。後者、『崖っぷちの男』は、濡れ衣を濯ぐべく奮闘する警官が主役の映画。痛快な西部劇でも観ているような想いだった。アメリカ・インディアンを悪役に仕立てた、偏見まみれの西部劇などは観たくないものだ…今どき、そのような映画を観て拍手喝采する、無知な西部劇ファンは、少なくとも日本にはいないだろうとは思うけど。
2015.4.21

 『ロボコップ』(オリジナル、リメイク版)と一緒に購入した、ホラーSF映画『パンドラム』(米独合作、公開2009年)が面白い。ドイツの新進気鋭の監督とのことで、主演俳優は米国人だが、女優に英語の話せるドイツ人を起用しスパイスの効いた(?)見応えある映画に仕上がっている…結末が秀逸。
2015.4.28

 大変面白そうなCATVドラマを発見した。癪なことに『アンブロークン』の配給会社から出ている…無理して観ることもないのだが。『Person of Interest』―『デ・ジャヴ』(主演D.ワシントン)に、狂信的なテロリスト役で出演していた俳優(名前失念)が主演。現在配信中らしい。
2015.5.8

 アナログ放送時代、『欲望という名の電車』(出演:アン・マーグレット、トリート・ウイリアムズ)をTVで観たことがある。精神病院から医者がやってきて、女を連行する処で映画は終わっていた。初めの中は、夢見る女の話なのかと半ボケ状態で観ていた。女が精神に異常をきたしていたと気づいたのは、最終場面になってからだった。監督:エリア・カザン、出演:ヴィヴィアン・リー、マーロン・ブランドのオリジナル版『欲望という名の電車』は、映画ファンなら知ってる人は多いはず。リメイク版は劇場未公開だったとか…偶々TVを点けていなければ見過ごしてしまっていた。
2015.5.17

 某大型書店で、ドラマ『パーソン・オヴ・インタレスト』1stシーズン「セット1」(6枚組、1話~13話)を、バナナの叩き売り状態の驚異的な価格1,000円で入手した。レコード店では50%引きの2,400円台で販売中だから、ちょっと得した気分になった。「セット2」がないのは売れてしまったためか…。劇場映画『パッション』でイエス・キリスト役を演じた、ジム・カヴィーゼルがタフな「必殺お助けマン」(?)役を演じている。昔、アナログTVで放送していた『タイトロープ』をさらにパワーアップしたようなドラマだ。カヴィーゼル扮するジョン・リースは、ネットワークを駆使してデータを収集、現代の監視社会に蠢く一般市民を、犯罪の脅威から守る現代のローン・レンジャーといったところだ。現在、全米で大ヒット中なのだそうで、そのドラマが早くもバナナの叩き売り状態を呈し始めた。配給元は『アンブロークン』で顰蹙を買った(?)U社。
2015.5.24

 格安の千円で購入したCATVドラマ『PERSON of INTEREST』(パーソン・オヴ・インタレスト、1stシーズン、1~6話までのSET1のパッケージ)は、数あるドラマの中でもサスペンス、スリルに富み、面白さでは群を抜いている。登場人物は一筋縄では行かず、それぞれに魅力に富んでいる。面白さは、キャラクターばかりか人物名にもおよぶ…リース、フィンチ、ファスコなど、なんとなく可笑しみのある響きだ。
2015.5.28

 『PERSON of INTEREST』(パーソン・オヴ・インタレスト)の登場人物:ハロルド・フィンチ(監視システムの開発、運用者)、ジョン・リース(フィンチと組む「必殺お助けマン」、元CIAに所属していた特殊部隊員)、ライオネル・ファスコ(NYPDの悪徳刑事、なかなか憎めない処がある)、ジョス・カーター(NYPDの女刑事、元特殊部隊で尋問を担当、アフリカ系)。*NYPD=New York City Police Departmentの略。ニューヨーク市警察。
2015.5.28

 映画『裏切りのサーカス』(原題:「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」)でスマイリー役を演じたゲイリー・オールドマンを、原作者ジョン・ルカレの孫が、「おじいちゃん(ジョン・ルカレのこと)にそっくり」と言ったとか。またCATVドラマ『パーソン・オヴ・インタレスト』で、「必殺お助けマン」(?)ジョン・リース役を演じるジム・カヴィーゼルは、『パッション』でのキリスト役は嵌まり役との評価だったらしい…役者冥利に尽きるのではないだろうか。
2015.5.28

 一昨昨日、邦画『呪怨』1&2を一気に観た。所要時間は、合計で3時間少々と記憶している。最も怖い映画という触れ込みだったようだが、小生としては『リング』(監督:中田秀夫、1998年公開)の方が怖かった。ブラウン管から出てきて、ぎくしゃくしながら近づいてくる姿が不気味だった。「ぎくしゃく」の度合いでは、オリジナル版の方が徹底していたが、リメイク版(『ザ・リング2』監督:ゴア・ヴァービンスキー、2002年公開)の方は手抜きした感じで、観ている小生は気抜けしてしまった。ブラウン管から出てくるという発想は、『デモンズ2』(監督:ランベルト・バーヴァ、1986年公開)からの受け売りのようだが、オリジナル版『リング』の方が何層倍も不気味だ。『呪怨』(監督:清水 崇、 落合 正幸、 安里 麻里、 三宅 隆太、2003年公開)の床を這う場面は、『ヘルレイザー ゲート・オヴ・インフェルノ』(監督:スコット・デリクソン、2000年公開)から影響を受けているようだ。ホラー映画は、独りで深夜に観るのが最適…怖さが倍増する?!
2015.6.4

 昨日(6/11)、野暮用あって外出し、レコード店でクリストファー・リー主演のドラキュラ映画『THE SCARS OF DRACULA』(『ドラキュラ復活/血のエクソシズム』、公開1970年)を購入、今日の深夜に観ようと楽しみにしていた。夕方6時半頃、ネット上にクリストファー・リーの死去を伝えるニュースが、載っているのに気づいた。もう90歳を超えていたのだから、この世に未練はなかっただろうと思う…これまで、200本以上の映画に出演、怪奇映画には欠かせない俳優だった。
2015.6.12

 数年前、デヴィッド・リンチ監督の映画『マルホランド・ドライヴ』(*)が話題になったことがある。観ていないので内容は知らないのだが、その時、レイモンド・チャンドラーの小説の中に同じ名称が出てきたと思い、原書2,3編にあたってみたが、結局は探し出せなかった―乏しい英語力では、拾い読み程度で見つかる訳はなく、すっかり忘れていた。ところが一週間ほど前、パトリシア・コーンウェルの第三作、『遺留品』を探しに行ったが見つからず、宛もなく店内をぶらついている中に、レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』の、清水俊二訳が目に止まった。新訳が隣に並んでいたが、迷うことなく清水俊二の決定訳の方を購入した。早速読み始めて間もなく、どうしても見つからなかった「マルホランド・ドライヴ」が見つかった。
1. 原作『The Long Goodbye』(1992年, Vintage Books): [THIRTY-THREE] p238 "From top of Mulholland Drive…"
2. 清水俊二訳『長いお別れ』(2014年、ハヤカワ文庫): [33章] p321 「マルホランド・ドライヴからは…」
*マルホランド・ドライヴ(Mulholland Drive):ロサンゼルス北部山中を横断する実在の道路。
2015.6.25

 去年公開の映画『NY心霊捜査官』を入手した。監督:スコット・デリクソン(『ヘル・レイザー/ゲート・オヴ・インフェルノ』の監督)、脚本:ポール・ハリス・ボードマン; スコット・デリクソン、主演:エリック・バナ(ラルフ・サーキ役、『ブラックホーク・ダウン』&『ミュンヘン』に出演)。原作はラルフ・サーキ(Ralph Sarchie)著のノンフィクション、『エクソシスト・コップ―NY心霊事件ファイル』(2001年、講談社刊)。著者は、2001年時点で現役のニューヨーク市警巡査部長として、南ブロンクス46分署に勤務する傍ら、ボランティアでエクソシスト(司祭)の助手を務める。『NY心霊捜査官』は、事実に基づく創作であって事実そのものではない…イラクに侵攻した米兵が地下に下って行く場面から始まる(原作にはない)。かつて、米軍のイラク侵攻の真相なるものがオカルト雑誌に載ったことがある。その真相とは、「獣」の封印を解くという悍ましい理由だったと記憶している。同映画は『エクソシスト』(監督:ウイリアム・フリードキン)に匹敵する、オカルト、ホラー、サスペンス要素の濃い上質な作品。なにはさておき、猛暑の真夜中に鑑賞するには最適な映画だ。
2015.8.5

 CATVドラマ『PERSON of INTEREST』(パーソン・オヴ・インタレスト)に登場する必殺お助けマン、ジョン・リースは『突撃隊』(ドン・シーゲル監督、1962年公開)に、一兵卒に降格(前後の映像から規律違反が原因らしいと想像できる)した元一等曹長(スティーヴ・マックイーン)として登場していた。CATVドラマの製作者、監督が劇映画『突撃』から人名を拝借した可能性はある。さらにライフ『世界の大都市 ロンドン』(オーブリ・メネン著、1978年刊)では、「…高潔なスコットランド人、ジョン・リースの鉄の支配を…」(144ページ22-23行目)と、リースなる人物について述べている。映画のリースは実在したか否かは調べてないので不明だが、ライフの『ロンドン』に登場するリースは、マルコーニの発明した通信機に関連するらしく、実在したのは確かだが、マルコーニとの関係は本書からでは分かり難い。神父あるいは牧師だったリース師は、ラジオを利用して布教に務めた人物なのかも知れない。
2015.8.26

 劇場映画『突撃隊』(ドン・シーゲル監督、1962年公開)および、CATVドラマ『PERSON of INTEREST』(パーソン・オヴ・インタレスト)に登場するジョン・リースなる人物名の出処は、Web上を彷徨いて調べ回ったところ、どうやらスコットランドの田舎町ストーンヘイヴンに牧師の息子として生まれ、BBC(英国放送協会)の初代会長となったジョン・チャールズ・ウォルシャム・リースらしいと判明した。8月26日に、「神父あるいは牧師だったリース師は、ラジオを利用して布教に務めた人物なのかも知れない」などと好い加減なことを書いてしまった…完全な間違い/早とちりだった、反省。タイム・ライフ・ブックス『世界の大都市 ロンドン』(オーブリ・メネン著、1978年刊)の144ページ、第7章「さらばコクニー」の20-23行目に、「…コクニーなまりも拡声機を通すとさえないものになった。それも放送してもらえた場合の話である。というのは、マルコーニはイギリス人を文明化するためにつかわされた神の使いであると信じる高潔なスコットランド人、ジョン・リースの鉄の支配を受けていたからである。イギリス国営放送の教養ある話し方は、…」とあるが、「BBCの初代会長」との記述は何処にもない―だから何うなんだということになるのだが。
2015.9.1

 10月7日の明け方、あまりに寒いので眼が醒め、デジタル置き時計で時刻を確かめたら午前3時33分だった…数秒後に確認したので見間違いではない。もう、夏まっさかりと同じような寝方では熟睡できなくなった。それでも、なんとか再び眠りに就き、起床したのは午前8時すぎだった。毎日が土曜日のような身分(?)なので、寝てようが起きようが烏の勝手というもの。それはさておき、午前3時33分には、何か曰くでもあるのだろうか。ウエブサイトで調べてみると、地震の起こった時刻が午前3時すぎなのが2件、映画『フォース・カインド』にまつわる、虚実いずれか判定のつかないのが1件みつかった―1.1945年1月13日午前3時38分23秒、愛知県の三河湾で直下型地震が発生した(周辺地域での震度は5~6)。死者、行方不明者はそれぞれ千数百人、負傷者は4千人近くに達したという。2.2015年7月10日午前3時33分ごろ、北海道、東北地方に震度5弱の地震が発生している。死者、行方不明者、負傷者はいなかった模様。3.洋画ファンならすでに知っておられるかと思うが、映画『フォース・カインド』にはいつも午前3時33分に目醒める不眠症患者(記憶では3人だった)が登場する。一部は事実に基いているようだが、殆どは創作ではないだろうか。とにかく、摩訶不思議な、UFO/アブダクションにまつわる映画だった。午前3時は「左端」が活躍する時刻なのだそうで、ならば33分には活動がピークに達するのか、それとも立ち去るのが当該時刻という意味になるのか―暇にあかせて調べてみるのも一興かも知れない。映画『悪魔の棲む家』や『エミリー・ローズ』では時刻が重要な意味を持っていた…洋画ファンならご存知かと思う。
2015.10.9

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